雇用調整助成金については、4月1日から運用の拡充があったのですが、地方の助成金センターではそれが伝わっていないので早急に伝えるように大臣に要請しました。
■雇用調整助成金について
■生活福祉資金制度による特例貸付について
■新型コロナウイルス拡大の現状認識、受診・検査体制について
■緊急事態宣言
盛山委員長 次に、稲富修二君。
稲富委員 立国社の稲富でございます。
きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、大臣始め閣僚の皆さん、そして事務方の皆さん、本当にお疲れさまでございます。
きょう、私からは、まず政府の、厚労省に係る経済対策のところと、あとコロナ対策、そして重症心身障害者についてお伺いをしてまいりたいと思います。
まず、雇用調整助成金でございます。お手元の資料の一ページ目でございますが、四月一日から対策が随分と拡充をされました。その内容について簡単に御説明をお願いします。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
雇用調整助成金につきましては、四月一日から六月三十日までを緊急対応期間と位置づけ、この期間中につきましては特例措置を更に拡充することといたしました。
具体的には、全国において、解雇等を行わず、雇用を維持した企業に対して、正規雇用、非正規雇用にかかわらず、助成率を中小企業は九〇%、大企業でも七五%に引き上げるとともに、支給限度日数に関しては、一年で百日、三年で百五十日となっているところ、緊急対応期間中の休業した日数につきましてはこの支給限度日数には含めないこととし、教育訓練に関して、雇用保険の被保険者について、一人一日当たり千二百円の加算としているところ、教育訓練の内容に応じ、加算額を引き上げることとしてございます。
稲富委員 ありがとうございます。
この拡充については、与野党を問わず求めてきておりまして、随分とよくなったというふうに思います。他方で、この制度の内容については、まだ現場の企業を経営されている方には伝わっていない部分もございます。
この特例措置の中で、実はこういう要件があります。対象労働者に係る所定労働延べ日数の二十分の一というルールがありまして、二十分の一以上休まなければいけない、休業するということが要件の一つになっております。
この点を含めて、例えばですけれども、雇用保険の適用事業所が例えば私の地元の福岡にある、支店が東京にある、それで東京で営業しているという場合は、東京で営業自粛をし、休業するという場合に、福岡と東京を全部合わせた労働者のことなのか、店舗ごとでいいのか、これは極めて、事業経営をされる方には非常に大事な話なので、明確に答弁をお願いをしたいのと、あと、正規、非正規、今回はパートの方も対象になるということですけれども、先ほど言った二十分の一のルールは正規雇用の方、非正規雇用の方を合わせての話なのか、別々の話なのか、あわせて御答弁をお願いします。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
雇用調整助成金の支給、あるいは先生がおっしゃった休業等の規模、二十分の一とかがございますが、の確認につきましては、原則として、雇用保険の適用事業所、先生からもお話がございました適用事業所の単位で行ってございます。
適用事業所とは、場所的に及び経営単位として独立性を有するものとされており、店舗が場所的及び経営的に独立性を有するというふうに該当すると認められる場合につきましては、当該店舗に対して、店舗を単位として支給をしていくということになるところでございます。
稲富委員 もう一つありますね。
達谷窟政府参考人 申しわけございませんでした。あともう一点、済みません、ちょっと答弁漏れがございました。
今回、特例措置として、雇用保険の被保険者以外の労働者を対象とする助成金制度を創設してございます。正規、非正規というお話がございました。
この雇用保険の被保険者以外の労働者を対象とする助成金の制度につきましては、雇用保険の被保険者を対象とする雇用調整助成金とは別の制度でございますことから、休業等の規模の算定に当たりましては、雇用保険の被保険者と被保険者以外の労働者をそれぞれ別に確認することとしてございます。
稲富委員 ありがとうございます。
先ほどの独立性が認められればというお話、では何をもって独立性を認めるのかということをお伺いしたいんですが、先ほど申し上げたように、各店舗、例えば東京にある店舗だけで二十分の一を超える休業があればそれを認めるという意味なのか、何をもって独立というのか、そこの点をお伺いします。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど、場所的独立あるいは経営単位としての独立性と申し上げました。具体的には、まず、場所的に他の主たる事業所から独立していること、別の場所であること、独立していること。さらには、経営単位としてある程度の独立性を有すること、すなわち、人事、経理、経営上の指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有することということで判断してございます。
〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕
稲富委員 済みません、独立とは何ですかといって、最後、独立ですと言われると。やはりこれは大事なんですよね。というのは、四月一日から始まって、各企業にとっては、どうするか、休業するか、あるいは営業するかという判断の中で、非常に大きなことであります。したがって、これは、ぜひこの場で御答弁いただきたいと思って、きょう、私、事前にも通告をしております。
もう一回申し上げます。
支店として、例えば東京に支店があって、その店舗で営業している、そして会計も、もちろん売上高が五%以上減少にもうなっている。そして、そこに十人の従業員がいた、十人の従業員の中で二十分の一ルールを超えて休業しているという、この店舗については雇用調整助成金は適用されるのかどうか、お伺いします。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
繰り返しになって恐縮でございますが、独立性をどうやって見るかということでございますが、人事とか経理とか経営上の指導監督、労働の態様等において、独立性という言葉で恐縮でございますが、他の事業所、主たる事業所とは別のものであるというふうに判断される場合は該当するということでございまして、それぞれ個々の事業所ごとに判断していくものになるかと考えてございます。
稲富委員 同じ御答弁になるんでしょうが、今のお話だと、要するに、各企業は、例えば助成金センターに行って、これはどうなんですかと言わないと、なかなか御判断いただけないのかなと思うんですよね。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
例えば、ある支店とか営業所があるというのは、まず前提として、そこが既に雇用保険適用事業所になっているか、なっていないかで、適用がなるか、ならないかということになりますので、まず、そこの支店が既に雇用保険適用事業所と判断されていて適用事業所になっている場合は助成金がその単位で払われるということでございます。
稲富委員 ありがとうございます。
適用事業所単位で見るということですか。そうなると、例えば、今申し上げたように、福岡で適用事業所になっている、その従業員が東京でお店をやっているという場合はどうなるんですか。適用事業所はあくまで本社なんです。そういう場合に、例えば東京で、あるいは別のところでも、どこでもいいんですけれども、そこで営業している場合はどうなるんですか。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
適用事業所の労働者の中に入っていて、例えば働いている場所が別という場合でありましても、ここの適用事業所の労働者であれば、ここの単位で考えていくということ、適用事業所の、例えば福岡のお店で考えていくということになるところでございます。
稲富委員 ということは、私なりに理解をすると、全体として、適用事業所単位で二十分の一ということを見る、そういう御答弁かなと思うんですね。
大臣にちょっと伺います。
まず、二つあって、雇用調整助成金というのは、当然、雇用を守るためにやるということで、企業にとっては非常に大切な制度であるから拡充をしたという中にあって、今私がやりとりしたように、まず非常にわかりにくい。
そして、二十分の一ルールというのを私はもうなくしてほしいんですよね。なぜなら、休業補償の制度、休んだときの制度は、日本では、ほかにも、例えば学校を休んだ、お母さんに対してというのはありましたけれども、休業補償の制度というのはこれなんですよ。これはすごく大事な制度で、雇用を守るために大事だというからやっているんですよね。二十分の一ルールは、ふだんは、平時なら私はいいと思うんです、いろいろなルールも。でも、これがあるがためにできないということであれば、私は何のためにこれをやっているのかなと思うんです。それが一つ。
もう一つは、この制度が四月一日から変わったものの、本当にこの情報が全国に行き渡って、地元であるいは各地で事務的に窓口でやっていらっしゃる方にまだまだ、大変申しわけないんですけれども、周知が行き渡っていない現状があります。
この点を含めて、大臣、ぜひ二十分の一ルールをなくしてほしいのと、周知徹底をお願いしたいのと、ぜひ御答弁をお願いします。
加藤国務大臣 その二十分の一のルールをなくすと、一人でも一時間でも休業したら対象にするという御趣旨で言っておられるんですか。ちょっとその趣旨が。
いずれにしても、何か基準がないと適用できないということなんだろうと思います。要するに、事業所単位で見ているわけですから、個人で見ているわけではありませんから、したがって、一定のルールが必要で、これまでそのルールでやってきて、今回それを適用している。そして、さらに、やはりこれだけの需要が出れば、かなり広範な休業が発生するだろう、そうした中でも雇用の維持を図っていただきたい、そういうことでつくっている、こういうルールなんだろうというふうに思います。
それから二点目の、これは大変申しわけないことなのでありますけれども、実は、逐次、雇用調整助成金制度は、対象を拡大したり、幾つか、ある意味では充実を図ってきているところでありまして、骨格は三月二十八日に、お示しをいただいた表の形で出させていただきましたけれども、詳細については、現在、労政審の手続等、施行に向けた準備を進めておりまして、四月十日ごろを目途に省令改正、通達改正ということになりますので、それを受けてということで、それぞれの地域における説明はなってくるということになります。
したがって、その段階でしっかりとそれぞれの方に説明ができるように対応していきたいというふうに思っているところでございますので、そこは、現段階ではここまで御説明し、そして十日以降においてはより詳しい説明ができるということも含めて、窓口等における対応に遺漏なきを図りたいというふうに思います。
〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕
稲富委員 適用の範囲については、ぜひ、本当に時間のない中でなんですけれども、少しまた、これから与野党の協議もあると思いますので、ぜひ御要望をさせていただきたい、続けたいと思いますので、御検討をお願いします。
次に、二ページ目の個人向け緊急小口資金等の特例についてお伺いします。
これも、非常にちょっと、非常にありがたい制度なんですけれども、わかりにくいところがあります。まず、緊急小口資金と総合支援資金というのがあって、左側の緊急小口資金の対象者について簡単に御説明をお願いします。
谷内政府参考人 お答えいたします。
緊急小口資金の特例貸付けでございますけれども、貸付対象は、休業等によりまして収入の減少がある世帯としているところでございます。また、三月十日に、貸付上限額につきましては、従来十万円でありましたものを、学校等の休業等の影響により所得が減少した世帯を対象といたしまして二十万円に引き上げる特例を設け、拡充したものでございます。さらに、景気悪化への懸念が高まる中で、生活不安に対応するため、三月十八日に、個人事業主やフリーランスにつきましても、学校休業にかかわらず、特例の対象者として明示したところでございます。
これらにつきましてはあくまでも例示でございまして、このほかに、生計維持のために資金が必要であると認められる場合には特例の対象となりまして、二十万円まで貸し付けることができることになっております。
稲富委員 ありがとうございます。
今御答弁いただいたのは、休業等により、あるいは学校等の休業というのは例示であるということで、あくまで世帯の収入に着目をして、これが支給対象になるという御答弁だったと思います。ありがとうございます。
その次の、総合支援資金の右の方、ここも、対象者を簡単に御説明をお願いします。
谷内政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘の総合支援資金の特例貸付けの対象者でございますけれども、基本的には緊急小口資金と同様でございまして、新型コロナウイルスの感染症の影響により収入減少があった世帯、これは失業とか休業等による要因があると思いますけれども、そういったものを対象としております。
現場では、収入減少があった場合に、まず緊急小口資金により対応して、それでもなお収入の減少が続いたり、失業等となって日常生活の維持が困難となった場合には、原則といたしまして、生活困窮者自立支援制度による自立相談支援事業等によりまして継続的な支援を受けながら、総合支援資金の生活支援費で対応することを想定しております。
連続する形で、切れ目なく貸付けをしていきたいというふうに考えております。
稲富委員 ありがとうございます。
ということは、この右側の方でいうと、これも、失業等によりとあるけれども、収入の減少ということに着目して支給対象になるということと、小口資金をまずは受けた後に、この総合支援資金の方をその次に、要するにダブルでその後受けることができるということでありますので、これも非常にクリアに今御回答いただいたかと思います。
最後に、この件で、ただし、受け付けが、場所によって、社会福祉協議会がやっていただいている部分があって、例えば、平日の九時―十七時に電話受け付けをして、そこで予約をして実際に申込みに行くということであると、なかなか電話もつながらないということが現実に起こっております。緊急でありますので、何とかその電話の窓口だけでも、土曜日あるいは週末、つながるようにしていただけないかという御要望でございますが、ぜひ御答弁をお願いします。
谷内政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘のとおり、今回の措置は社会福祉協議会で行っているところでございます。各市町村の社会福祉協議会では、相談者の状況や新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえまして、感染を防止しつつきめ細やかな対応を進めるため、予約制での実施、さらに、混雑状況等を踏まえた窓口の増設、他の部署からの職員の応援など、必要な対応をとっているところでございます。
一方で、議員御指摘のとおり、相談者の方を若干お待たせしたり、電話がつながりにくかったりするケースがあるというふうにも聞いておるところでございます。そのため、厚生労働省といたしましては、各都道府県や全国社会福祉協議会を通じまして人員体制の強化等をお願いしております。
具体的には、受け付け時間につきましては、時間の延長又は前倒しや後ろ倒し等の対応、また、休日につきましては、平日の相談件数の動向も踏まえまして、必要に応じて相談を受け付けるなどの対応などをお願いしておりまして、このための事務費も全額国費で措置しているところでございます。
それぞれの地域の状況等に必要な相談体制の整備を進めて、相談のニーズに対応してまいりたいと考えております。
稲富委員 ありがとうございます。ぜひ、大変な時期ではございますが、週末での御対応もお願いできればと思います。
それでは、次の質問に移ってまいります。
今までの雇用調整助成金あるいは生活福祉資金の担当の方は、もう御退席いただいて結構ですので。ありがとうございます。
次に、新型コロナウイルスについてお伺いします。
大臣、一昨日の四月一日に、福岡県の中核の病院で十七名の方の感染が確認をされました。午前中から医療体制の確保ということがずっと大きな議論になってきたわけですが、これは救急外来を二十四時間三百六十五日受けている病院で、救急で来た方を、もちろんそこでPCR検査をしてとか感染確認をした後に手術ということはできないわけで、救急で受けて、結果として恐らく陽性が判明し、そして感染が確認されたということだろうと思います。
この間、では、そうなったらこれからどうなるのかということになると、クラスター班が来て、いろいろな御指示があって病院経営をやるんだと思いますけれども、実際には、外来に来ていただいたり、あるいは新規の手術等は現実的にはできないだろう。ですので、恐らく、患者さんと接触した方は二週間ぐらいは当然、病院としての機能は、外来としては受けられない。その間に陽性反応がなければまた再開できるんでしょうけれども、その間、病院としてはなかなか経営ができないということになると、これが二週間で終わればいいですけれども、その間、誰かがまた出たら、そことの接触者は誰かということになり、どこから病院としての外来あるいは緊急外来を受けられるかというのは非常に先が見えないわけです。そうなると、例えば一カ月であったとしても、この間の病院の経営として考えた場合に、非常に厳しい状況になるかと思います。
そこでお伺いしたいのは、このようなケースというのはこれからも出てくるでしょうし、先ほどもどなたかの委員もおっしゃいましたけれども、一たび陽性の方が出られた場合は、病院経営としてどうなるのかというのは非常に切実な問題としてあります。その経済的な側面として、経営的な側面として、政府として何らかの対応をする用意があるのか、その点をお伺いします。
加藤国務大臣 まず、そうしたことが発生したら、まず院内での感染をしっかり防止をしていくということで、今お話しのように、当該の方はもちろんのことでありますけれども、濃厚接触者に対するPCR検査等々をすることによって院内感染の拡大を防いでいく、あるいは病院から病院への連鎖等を防止をしていく、まずそれに取り組んでいくことなんだろうと思います。
その上で、その病院の中での、さはさりながら入院をされている方もおられますから、病院機能を維持しながら消毒等も実施をしていただいて、そしてまた、一日も早く地域の医療機関としての機能を果たしていただく、こういう流れをつくっていかなきゃいけないだろうと思います。そういった意味で、今、地元の保健所等々もそういった事態の場合には中に入り、場合によっては私どものクラスター班からも人を派遣をして、適切な対応がとられるべく、地元の方と一緒に協力をさせていただいているところでございます。
新型コロナウイルスの影響によってやむを得ず機能停止や事業規模が縮小となった医療機関については、一つは、今、福祉医療機構が行う融資、これについて、無利子無担保、償還期間の長期化、貸付金の限度額の引上げ、これらを行って支援をさせていただいているところであります。
また、先ほど委員からもありました雇用調整助成金については、もちろん医療機関でも使えるところであります。
さらに、そうした消毒等にかかったいわばかかり増し費用に対する支援事業も実施をして、診療の再開をしっかりと支援をしていきたいというふうに思っているところであります。
稲富委員 ありがとうございます。融資の範囲と、あとは雇用調整助成金というお話がございました。
即座に経営が立ち行かなくなるとは私も思いませんが、ただ、やる気があって、より積極的に二十四時間三百六十五日救急の外来を受けて、それによってこのような営業が、一カ月、わからないですけれども、二週間なり一カ月できないということになると、より患者さんに向き合おうとする病院ほどリスクが高くなるわけで、そうなれば、やる気があればあるほどそういうリスクを背負わなきゃいけないということになります。
もう一つ聞きます。風評被害についてです。
これは、どういうふうに解決するかというのは非常に難しいわけですけれども、ただ、現実には、例えば、その病院で働いている看護師さんのお子さんを預かってもらえないとか、ちょっと家で待機してというような声もあるということなんですけれども、このような風評被害に対して、大臣はどのように、これは、すぐ何か手があるというか、難しいんですけれども、ぜひそれに対する大臣の所見をお伺いしたいと思います。
加藤国務大臣 今の、お子様が濃厚接触者ということであれば、これはやはり家庭等において二週間、健康観察ということになるんだと思いますけれども、そうではなくて、例えば、感染も全くしていないけれども、そうした感染の関係の医療に従事をしている、そうした医療機関で働いておられる、あるいはそういう活動をされているということだけをもってしてそうした対応がされていく、これはまさに、いわれなきある種の差別的な発言と言ってもいいんだろうというふうに思います。
そういったことについては、これまでも、専門家会議からも、そうした認識を解消すべくしっかり対応すべきということを我々も指摘をされているところでありますし、また、全国知事会からも、そういった課題がいろいろと、医療関係者だけではありませんけれども、感染症に関していろいろないわれなき発言等が出てきている、そういったことに対して対応すべしという声もいただいております。
これは、本当に、啓発をしながら、国民の皆さんに、この新型コロナウイルスというのはどういうものなのか、どうやったら対応できるのか、こういった正確な情報を提供しつつ、そうしたことを解消というか、生じないように努めていかなきゃならないというふうに思います。
稲富委員 ありがとうございます。
医療崩壊を防ぐ、医療体制の確保をするという意味でいうと、私は非常に素人ながらこう思っていたんですよね。患者さんがたくさん来て、それで手に負えなくなって、患者さんに対応できなくて医療が維持できないと思っていたんですけれども、今回の事例、これからあるであろうことは、その患者さんを受けることによって感染が拡大し、その支え手であるお医者さんあるいは医療スタッフがいらっしゃらなくなることによって医療を支えられなくなるというパターンがある。あともう一つは、今のように、やる気があればあるほど、あるいは患者さんを診ようとすればするほど、どんどんリスクをその方が背負わなきゃいけなくなるということがあると思うんです。
したがって、これから、医療体制の確保というのは、政府としても、我々も最も大事な点だというふうに思いますので、先ほどの対応について、私は、ぜひ、より踏み込んだ経営支援をしていただきたいなということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
資料の次のページ、三ページをごらんください。
これは新型インフルエンザ等対策の基本方針という内閣府がつくった資料で、当初、我々は、赤のこのラインが、そのままにするとこうなるよと。なので、ピークをまずおくらせて、この青の点線のラインにして、そして、その山の高さを低くするんですよということ、このために時間をおくらせるということが大事なんだ、その間に体制をつくって、この山をへこませることが大事なんだ、これが感染症の対策の大きな方針なんだということを当初我々は学んで、こういうふうにするんだと思って、多少このピークを後ろにずらすということは効果があったんだと思います。
その次のページをごらんください。
では、この赤い山、発症者の数でいうと、大臣の御認識として、今、この山の中のどこにいるのか。ここで言うと、感染の拡大期というのが横軸にあって、そして、第三段階のところには、蔓延期というのがあって、回復期というのがあります。今、我が国はこの中のどこにいるという状況なのか、大臣の御認識をお伺いします。
加藤国務大臣 これは、委員がお示しいただいた、前段階からずっとありますけれども、第三段階が感染拡大期、蔓延期、回復期となっているんですが、これは二十三年のときに改正されて、感染拡大期と蔓延期と回復期をもって国内感染期というふうな定義に今はなっているということであります。
その上で、どの段階なのかということでありますけれども、基本的には、インフルエンザ特措法、また政府行動計画ということでありますから、内閣官房での答弁が基本になると思いますが、先般も西村大臣から答弁がありましたけれども、どのフェーズに当たるのか、発生状況に応じて行動計画では五つの段階に分かれているが、必ずしも明確に区分されるものではなくて、漸進的に進行するものだということ、そして、現在の新型コロナウイルス感染症の発生段階がいずれに該当するかについては専門家の意見も踏まえる必要があるが、既に複数の地域において感染経路が明らかでない感染例が報告されていると承知をしている、こういう答弁があったというところでありまして、どこで認定するかというのは、私どもというよりも、内閣官房を中心に議論がされていくということになるんだろうと思います。
稲富委員 ありがとうございます。
この山のグラフは我々にとっても非常にわかりやすく、今どこにいるのかということで、例えば、私の地元のテレビでも、今、福岡はここにいるということをこの絵を使って実はやっているところがあります。要するに、これは、発症者がどの段階にいて、今我々はどこにいるのかということなんですけれども。
その次のページを見ていただくと、これは、確かに、今、新型インフルエンザ特措法のときの議論であるということなんですけれども、同じことから学べることもあって、例えば、ここに書いてある第三段階の拡大期では、発生患者の接触歴が疫学調査で追えなくなった状態であると。蔓延期は入院措置などによる感染拡大防止効果が十分に得られなくなった状態であるというふうに書いてありまして、その次のページに行きますと、感染拡大期にはこう書いてあります。感染の疑いのある者が受診する医療機関を特定し、医療機関を介した感染拡大を抑制しながら、患者に対し協力医療機関への入院措置を行う。これは、まさに今、PCR検査で、ある程度抑制をして、特定をしてやっていくという姿だと思います。
しかし、蔓延期のところになると、医療機関における感染の可能性を少なくするため、発症者のうち軽症者は原則として自宅療養とし、電話相談などで医療機関受診の必要性を判断する。まさに、きのう、軽症者と重症者を分けて対応するということに大きく指針が出されたわけです。
したがって、今、我が国はもう、ほぼ蔓延期、ここで言うところの蔓延期に近い状態になっているんじゃないかというふうに私は思うわけです。そうすると、感染拡大期にやっていた我々の受診あるいは検査の体制というのは、今の蔓延期とその前までの拡大期ではやり方が違うんじゃないかと思うわけです。
最後のページをごらんください。
これまでの検診の流れというのは、午前中からも何度も議論がありましたけれども、相談センターに電話をして接触者外来を受けて検査をするという、リニアというか、そこでやるか、かかりつけ医からこの検査をしていただく。しかし、今のこのやり方だけでは、もう違う段階に来ているんじゃないかなと私は思うんです。簡単に言えば、検査をもっとふやして、そして軽症者、重症者を分けることをもっとしないと、逆に医療を確保できないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
そこで、大臣、今申し上げた拡大期の対処と、あるいは蔓延期にかかっているときの対処の仕方、これはやはりやり方が違うと思うんですけれども、対処の仕方が違うと思うんですけれども、その点の御認識をぜひお伺いをいたします。
加藤国務大臣 ちょっと先ほど申し上げたんですが、委員からいただいた資料はちょっとバージョンが違う。インフルエンザ行動計画そのものが、今おっしゃった蔓延期とか、それを全部くくって、国内感染期ということで今まとめて扱っているのが今のインフルエンザの、今というのは、新型コロナではなくて、その前の段階で、たしか二十二年か二十三年に改定をしているというのがまず一つあるということであります。したがって、今は蔓延期ということ自体のステージが新型インフルエンザの行動計画の中にないというのが今の実態ということを、ちょっと一つ申し上げさせていただいて。
その上で、どこに来ているのかという中において、その認定ももちろん重要だと思いますけれども、私どもとしては、全ての状況が一遍に動いているわけではなくて、今委員御指摘のように、医療提供体制がどうなのかという能力も地域地域で違ってくると思います。したがって、決して発生数がそれほど多くなくても、結構厳しくなるところもあるかもしれません。それから、一定あったとしても、かなり医療のキャパシティーが高いというところもあると思いますので、それはそれぞれの、特に外来と入院と、その辺を含めて、よく実態を見ながらそれぞれに応じた対応をしていくということが私どもとしては必要であろうというふうに思っております。
その上で、今最後に委員がおっしゃられたこの流れでありますけれども、これから、ケースによっては帰国者・接触者外来だけでは受け切れないという場合も出てきます。それから、今、基本的に、帰国者・接触者外来というのは、かなり専門病院が外来機能を持っているということもあります。そうなると、患者さんがふえてくると、その専門病院は、もはや外来ではなくて入院に中心を置かなければならないから、そこを縮小していかなきゃいけない、そして他方で、一般の医療機関においても、動線等を分けていただきながらそうした外来にも対応していただかなきゃいけない、こういったフェーズがいろいろ出てくる。
これは、先般の基本的対処方針や、あるいは私どもの移行の考え方でこれまでも示させていただいたということでありますので、必ずしもずっとこのままでいくということを考えておるわけではありません。ただ、今の段階では基本的にはこれで、今の段階ではこういったことが基本になっていくんだろうと思います。
それから、PCRについては、基本的に、帰国者・接触者外来において、必要とされるものはしっかりとPCRをやっていただきたいということはこれまで申し上げてきているわけでありますが、ただ、加えて、昨今の東京等の事例を見ると、この流れというよりは、むしろ積極的疫学調査の一環としてしっかりPCRをやっていくという必要性も上がってきている。そのためのPCRがその当該地域で十分できなければ、他の地域における応援もお願いをする、そういった調整も私たちはやらせていただきながら、まさに医療の流れとしての必要なPCR検査と、それから積極的疫学調査としての必要なPCR検査、それぞれがしっかりと行われていく、このことがまさに感染防止であり、重症化防止にもつながっていく、こういう思いで取り組ませていただきたいと思います。
稲富委員 ちょっと質問をかえます。
厚労省のホームページに新型コロナウイルスに対するQアンドAというのがあって、一般者向けに対して、ちょっと素朴な質問ですけれども、無症状の感染者から感染することはあるのかという問いがあるんですけれども、それに対して、現状の認識をお伺いします。
宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
軽症者や無症状病原体保有者からの感染の可能性とか、あるいは、これらの者が重症者と比較して他人に感染させるリスク等に違いがあるか否かにつきましては、現時点ではまだ明らかになっていない点があるというふうに考えております。
稲富委員 明らかになっていないけれども、感染をするということでよろしいんでしょうか。明らかになっていないけれども、感染をすることがあるということでよろしいんでしょうか。
宮嵜政府参考人 感染をさせる可能性がないということを否定するようなエビデンスもないですし、あるということもちょっと言い切れるというような状況ではないというふうに理解しています。
稲富委員 ちょっとわかりにくいんですけれども。
というのは、私はこれまでこう思っていたんですよ。八割は軽症である、二割は、本当に不幸にして亡くなる方もいるし、重症化をする方がいる。そして、主に重症化するのは御年配の方で、若い人は大丈夫だ、別に、かかったとしても治るんだと。私が間違っていたのだったら、そうです。でも、八割は軽症で済むよ、二割は重症、だけれどもそれはほとんど高齢者ですよというイメージを私は持っていました。
しかし、実は、この一週間ぐらいでゼロ歳児が感染をしている。あるいは、もし、今おっしゃったように、若い方が感染をして、さらにそれが無症状で次の人に感染するという可能性があるならば、今私が言ったようなのは一種の思い込みで、これはやはり間違ったイメージを持ってしまっているんだと思うんです。
例えば、先日、基本的対処方針の中でもやはりこの記述が必ずありまして、罹患しても約八割は軽症で経過し、治癒することも多い、これは中国の事例だというふうに書いてあるんです。年齢ごとの死亡者の割合は、六十歳以上の方で六%であったのに対して、三十歳未満では〇・二%であるということで、私は、もし軽症者であっても他の方に感染をさせる可能性があるというのであれば、お年寄りだけが非常に重篤化するというのは非常に、ミスリーディングというか、間違っていないのかもしれませんが、間違った印象を与える可能性があると思うんですね。
なので、感染をするのであれば感染をすると言ってもらわないと、これは普通の方は読んでもわからないと思います。ぜひ御答弁をお願いします。
宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
専門家会議の状況分析・提言におきまして、無症状又は症状が軽い方が本人は気づかずに感染を広めてしまう事例が多く見られるということは指摘されております。ですので、そういう可能性があるということが指摘されていると同時に、ただ、若い方と高齢の方で重症化するか重症化しないかというのはまたちょっと違う次元の話かなということで、そこはまだわかっていないところもあるというふうに考えております。
高齢者の方が重篤化しやすいということはよく言われているところです。
稲富委員 ありがとうございます。
これは、大臣、お願いだけ申し上げます。
やはり、若い方は大丈夫、若い方は重症化しない、それは私だけのイメージかもしれませんけれども、高齢者は重篤化しやすい、でも、一方で、若い方は大丈夫だ、大丈夫とは言いませんけれども、そういうイメージが伝わるとこれはよくないので、ぜひ、八割は軽症で済む、しかし、逆に言えば二割は重篤化するわけで、そして、八割の方は、さらにそこから先に感染をする、感染源になることもあるので、特に若い方についてはそういうメッセージをぜひしていただきたいなと思います。特にゼロ歳児、幼児もかかっているということがわかってきましたので、ぜひその点をお願いしたいと思います。
時間がなくなってきましたので、宮下副大臣に来ていただいておりますので、緊急事態宣言についてちょっとお伺いをしたいと思います。
特措法の四十九条で、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋、物資を使用する必要があると認めるときは使用することができるという規定がございます。これについて、家屋という中に、ホテルあるいは賃貸のアパート、そういうものが入っているかどうかということを確認をさせていただければと思います。
宮下副大臣 委員御指摘の特措法第四十九条第一項の規定によりまして、都道府県知事は、緊急事態措置の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができるとされております。
この臨時の医療施設は、医療機関以外において医療を提供する場として、既存の医療機関の敷地外などに設置したテントやプレハブ、また体育館や公民館などの公共施設、ホテルや宿泊ロッジなどの宿泊施設などを想定しているところであります。
稲富委員 ということは、繰り返しになりますけれども、緊急事態宣言が出されたら、ホテルあるいは賃貸マンションというのは使用することができるということですよね。確認です。
宮下副大臣 どういった施設を使用するかという厳密な規定はございませんけれども、賃貸の宿舎、アパート等について臨時の医療施設の対象となり得るかどうか、これは、その適否については適切に判断する必要はあると思います。(稲富委員「判断はありますよ。法律上できるか」と呼ぶ)
もう一度申し上げます。
法律上、アパートは臨時の医療施設の対象となり得るということでありますけれども、それが適切かどうかについては慎重に検討する必要があるということです。
稲富委員 時間が参りましたので、終わります。
ありがとうございました。