国会活動

平成31年3月7日 総務委員会「単身世帯増加について」等

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江田委員長 次に、稲富修二君。

稲富委員 国民民主党の稲富修二でございます。
 本日も質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 きょうは、ひとり暮らし世帯がふえている現状と、それに対応する行政の課題について御質問をさせていただきたい。最後のところで少し統計の問題を触れさせていただければと思います。
 まず、総務省さんが、自治体戦略二〇四〇構想研究会第一次報告というのを出されております。二〇四〇年というものを想定をして、そこから翻って、今何が課題があるかということをさまざま検討されているわけでございます。
 こういった記述があります。
 二〇四〇年には一億一千九十二万人に人口がなるということ、そのころには毎年九十万人程度減少すると見込まれていると。出生数も、ついに百万人を下回っておりますが、二〇四〇年には七十四万人程度になると。そして、団塊ジュニア世代、ちょうど私どもでございますが、全て高齢者となる二〇四二年には三千九百三十五万人、高齢化率三六・一%でピークを迎えるということでありますが、二〇四〇年あるいは二〇四〇年代というのは、高齢化がピークを迎え、そして、ある一定程度、高齢者の割合と現役世代の割合が一つのピークを迎えて、そこから先は、大体、高齢者そして現役世代が定常化していくといいますか、ほぼその割合が変わらず、人口だけが減っていくという形になるということかと思います。
 もちろん、高齢者、六十五歳以上の方の中の七十五歳以上の方がふえるというものの、現役世代と高齢者の割合がそこで、二〇四〇年代にほぼ日本としては大きく割合が定まっていって、あとは徐々に人口が減っていくということを考えると、確かに、二〇四〇年の姿、その社会における暮らしや行政や、あるいは社会保障やさまざまな形を考えるということは、これから迎える中で最も大きな、あるいは共感できる問題設定かと思います。
 その中で、十四ページの中に、課題がさまざま掲げてあるんですけれども、最も私にとって、これはそうだなと思ったところが、六十五歳以上のひとり暮らしの高齢者が増加をしているということ、そして女性のひとり暮らし高齢者が二〇三五年に五百万人を超えるということで、地域包括ケアシステムの中でこれが書かれている。
 ひとり暮らしがふえているということは、私も地元を歩く中で非常に強く最近感じていることでございます。かつては御夫婦でお暮らしになっていた御家庭が今は単身世帯になっているということ。
 私、福岡市が、地元として活動させていただいていますけれども、人口がふえて活気のある町というイメージが恐らくあると思うんですけれども、例えば、都心部の一部では、特にマンション群がある中でいうと、ひとり暮らしのお年寄りというのがたくさん住んでいらっしゃいます。特に公団等には、ひとり暮らし、かつて高度成長期にそちらに住まれて、今ひとりでお暮らしになっている方がたくさんいらっしゃいます。
 限界集落という言葉がありますが、ある地域のお世話をされている方が、ここは都会の限界集落だなんということを私は言われたこともあります。限界集落は、人口五〇%以上が六十五歳以上の高齢者というのが定義だそうですが、福岡市という、本当に、人口がふえ、明るい町ではございますが、中心部においては同じような現象が起こっております。
 高齢者が圧倒的に多く、自治会活動もほとんど高齢者、一旦自治会活動を受けると次の世代がいないのでやめるにやめられない、道路を挟んだところに高級マンションがあるけれども、自治会活動には参加しない、そういうことが嫌だからこそ、そういう高級マンションに住んでいらっしゃる、誰がどれだけ住んでいるかわからないという中において、例えば、本当にあってはならないですけれども、孤独死が起こっているようなこともある。地域行事などを通じて、地域のつながりの再生などの取組は行われていますが、やはりこれから大きな課題になるかと思います。
 ひとり暮らしという世帯のあり方がこれからふえるということでございますが、これまでに至る、全世帯に占める、単身、ひとり暮らし世帯、二人世帯、三人から四人世帯など、世帯の割合がずっと変わってきております。そこの変化について、現状をお伺いをいたします。

千野政府参考人 お答えいたします。
 国勢調査の結果から、一九九五年から二〇一五年までの二十年間の世帯構造の変化を見ますと、全世帯に占める単身世帯の割合は二五・六%から三四・五%に上昇しております。また、二人世帯の割合も同様に二三・〇%から二七・九%に上昇しております。一方で、三人から四人の世帯、この割合は三七・四%から三〇・八%に、また五人以上世帯の割合も一四・一%から六・八%にいずれも低下しております。
 このように、この二十年間では、単身世帯の割合が大きく上昇していることが世帯構造の変化の特徴でございます。

稲富委員 御説明ありがとうございます。
 単身世帯が、今御説明ありました二〇一五年の統計でいうと最も多い世帯となったということ、三人から四人の世帯が三〇・八%で、単身が三四・五%でございますので、単身が一番多い世帯になっているというのが日本の現状だということ。二〇一〇年は、約十年前は、それでも三人から四人、いわゆるファミリーの世帯の方が若干単身よりも多かったですけれども、二〇一〇年から二〇一五年の間に単身世帯の方が逆転をし、今や最大の世帯になっている。
 そこで、二人世帯も今言及をいただきましたけれども、二人世帯も微増しております。二人世帯は、要するにこれは単身世帯の予備軍といいますか、先々単身世帯になる可能性が非常に高いということでございます。
 それで、もう一つは、いわゆる家族、お父さん、お母さん、そして子供が二人、四人、私もそうでしたけれども、いわゆるモデルとされてきた四人の世帯というのが、わずか今一三・三%。先ほど何度も申し上げましたが、単身が三四・五%ということで、圧倒的に、実はそのモデルとされてきた世帯は少数になっているということでございます。
 そこで、お手元の資料をごらんいただければと思います。一枚目ですね。これが現状なんですけれども、この先どうなるのかということなんですけれども、これは読売新聞の昨年の記事ですけれども、単身世帯が二〇四〇年には四割になるということで、これから更に単身がふえていって、これが四割になるということが書かれております。
 そこで、子供と夫婦の世帯というのは、今は三〇・八%でありますのが二〇四〇年には二三%になるということで、四世帯に一つしかないということ、あるいは、単身世帯で目立つのは六十五歳以上の高齢者であるということがここに記載をされております。衝撃的な数字だなと私は思います。
 先ほども申し上げましたように、両親子供、四人、そういう家庭が今やもう少数派であり、将来的にもそれが圧倒的な少数世帯になる、一人世帯が四割になるというのが二〇四〇年の姿でございます。その中で、男性高齢者の五人に一人、女性高齢者の四人に一人がひとり暮らしになるということでございます。
 そこで、お伺いします。
 なぜこれほど単身の世帯がふえているのか、その原因についてお伺いをいたします。

北崎政府参考人 お答えいたします。
 昨年四月に取りまとめられました自治体戦略二〇四〇構想研究会の第一次報告の中では、医療、介護に関する議論の中で、ひとり暮らし高齢者の増加要因につきましては、生涯未婚率の上昇、それから寿命の延び、そして三世代世帯の減少が指摘されているところでございます。
 以上であります。

稲富委員 ありがとうございます。
 未婚率が上昇しておるという御指摘もいただきました。二〇三五年には、男性が約三人に一人、女性が五人に一人が結婚しない社会が来るということで、これが大きな要因になっているということでございます。
 今は、ひとり暮らしは、そうはいっても二十代が最多です。しかし、二〇四〇年には、ひとり暮らしというのは八十五歳以上が最多になって、次が六十代、その次が七十代、その次が二十代ということになるということ。すなわち、我々がひとり暮らしといえば、私が学生のころは、田舎から東京に出てきてひとり暮らし、あるいは結婚する前にひとり暮らし、ひとり暮らしといえば若い人の暮らし方だったという認識だったです。今もそれが多い。しかし、将来は、ひとり暮らしは若い人の暮らし方ではなく、より高齢者の暮らし方になるということであるという現状でございます。
 先ほど原因から御説明いただきましたけれども、これからさまざまな課題があります。そこで、単身世帯がふえるということからくる課題についてお伺いをいたします。

北崎政府参考人 お答えいたします。
 ただいま申し上げました二〇四〇構想研究会の第一次報告では、高齢者の医療、介護を支えます地域包括ケアシステムが機能するためには、住まいの存在が前提になるという指摘がなされているところでございます。
 また、住まいにおける高齢者の生活を支える上では、地域や家族がセーフティーネットとして機能することが重要であると考えられますが、ひとり暮らし高齢者の増加については、地域や家族がセーフティーネットとして機能しにくい状況につながり得るという懸念が示されているところでございます。

稲富委員 ありがとうございます。
 そのとおりで、やはり、家族が担ってきた生活上のさまざまな困難やリスク、一人になるとそのリスクが顕在化してくる、こういった御指摘があります。貧困、孤立、あるいは介護、そういった生活上のリスクが出てくるのではないかという御指摘をされている方もいらっしゃいます。
 今御説明いただいたように、介護の需要が、当然ながら、お二人暮らしよりもひとり暮らしであるとふえるであろう。そのことによって、慢性的に介護士が不足をしているということでございますので、家族が担ってきたものが、もう全く、施設あるいはサービスに頼らざるを得ないということ。
 あるいは孤立ですけれども、これは、内閣府の調査によると、ひとり暮らしの高齢者の方の会話の頻度という調査がございまして、平成二十六年度ですけれども、毎日されている方は五五・三%、一週間に一回から三回が三二・二%、一カ月に一回から二回が六・三%、ほとんど話をしない方が六%ということで、やはり、お一人で暮らされている方は話す機会も少なくなっていくということがあると思います。
 あともう一つ、やはり貧困、要するに、経済的な問題が出てくるかと思います。
 そこで、これらの課題に対してどういうふうに対処をするのかということをお伺いをいたしたいと思います。

石田国務大臣 昨年七月に取りまとめられました自治体戦略二〇四〇構想研究会の第二次報告では、高齢者の課題も含めた諸課題に対応するため、地域を基盤とした暮らしを支えるための仕組みの必要性や、自治体が新しい公共私相互間の協力関係を構築する必要についても指摘されたところでございました。
 また、その後、昨年七月から、内閣総理大臣の諮問機関である第三十二次地方制度調査会におきまして、高齢者がピークとなる二〇四〇年ごろから逆算して顕在化する諸課題とその対応策について議論が行われているところでございます。
 私は、最近の若い人たちの意識の変化ということをこの場でもたびたび申し上げました。そういうようなことも、この長い、二〇四〇年を見越して、大きな変化の中で、高齢者の方がお一人で暮らされるよりも、同居ではなくても近隣に御家族なりが住まわれる、そういう変化が起こってくればまた状況も少し変わるんではないかなということを思っておりまして、さまざまな課題があるというふうに思っております。
 このさまざまな課題につきまして、関係府省にも協力をいただきながら、同調査会においてしっかりと議論が行われることを期待したいと思っております。

稲富委員 ありがとうございます。
 資料の二枚目をごらんいただきますと、先ほど申し上げた内閣府の平成二十六年度一人暮らし高齢者に関する意識調査というものがございまして、この二枚目、その調査対象は約千五百人の方ですけれども、その方々の住宅の種類あるいは収入等がここに出ております。
 そこで、持家の方は七一・七%、それ以外の方、要するに賃貸という方が約三割ということが書かれております。そして、その下、毎月の収入というところなんですけれども、十万円未満が二八・九%、十万円から二十万円が四九・七%と。約千五百人の方々の生活ですので、これが全てとは申せないかもしれませんが、大まかな傾向があるかと思います。まず、住宅については、賃貸の方が約三割いらっしゃる。収入に関しては、十万円未満の方が約三割いらっしゃる、恐らく国民年金の方。厚生年金の方でよりいい方が、その十万から二十万のところに行っているのかと思います。
 先ほど貧困という経済的なお話をさせていただきましたけれども、この衣食住を考えた場合に、やはり住の問題が、これは極めて大きいなというふうに思うわけです。七割の方は持家がある、しかし三割の方は賃貸である。収入が、あるいは国民年金がその主たる収入であるといった場合に、この住をどう確保するかというのがこれから大きな課題になるのかなと思うわけです。
 前回、税のときに、この総務委員会でも私も指摘をさせていただきましたけれども、家を買うときには、国はさまざまな、住宅ローン減税をすごく、今回も消費税対策として拡大はします。しかし、賃貸、今持っている家に対する住宅政策というのはほとんどないということでございます。
 こう言うと、これは国交だろうということかもしれません。しかし、きょうここでこういう話をさせていただいているのは、先ほど大臣がおっしゃっていただいたように、高齢者のひとり暮らしの生活は、どこどこ省庁というこの縦割りを何とか取り除かないと、これは解決できないんじゃないかという私の問題意識です。
 それと、もう一つは、高齢者の問題、私は、自分の親を思ってもそうですけれども、両親が二人いるとまだ安心です。ただ、一人、例えば母親が一人で住んでいるという姿を想像すると、やはりこれは家族としてもすごく心配で、どうやって、まあ言うと、私家族と両親を、健康に過ごしていくのかというのは、これは本当に大切なことだと思うんですね。
 ただ、そういった視点で考えると、実は高齢者の問題というのは、このひとり暮らしの世帯をどうするかという問題だと言っても私はいいぐらいだと思うんです。経済的にも、あるいは介護の面でも、そして孤立という面においてもですね。
 という意味で、これをぜひ、大臣、先ほど前向きにいろいろ答弁をしていただきました。やはり、首長経験もされている大臣にとって、本当に切実な問題として感じていただけるものと思います。これはやはり、そういう縦割りを超えて、より実態を調査をする、あるいは何らかの手を考えるということが実に大切なことではないかというふうに思うわけですけれども、もう一度、大臣、ぜひこの問題についての御認識、そして対処についてお伺いをしたいと思います。
    〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕

石田国務大臣 先ほども答弁申し上げましたけれども、議員御指摘のように、本当に、非常に重要な、深刻な課題だというふうに考えております。
 例えば、第三十二次の地方制度調査会においても御議論をいただいておりますし、我々総務省としても、前にも申し上げましたけれども、今、世の中の大きな変化の中で、どういう形でこの問題に対応していくか、そのことも含めながらしっかり考えていかなければならないと思っておりまして、当然、関係府省の皆さん方とも協力しながら、この問題にしっかり取り組めるように頑張っていきたいと思っております。

稲富委員 ありがとうございます。お取り組みのほどをよろしくお願いします。
 最後、済みません、時間が限られてまいりましたので、GDPの統計についてお伺いします。
 お配りした三枚目の中で、これはもう各委員会でも、あるいは本会議でも御議論がございました。
 まず、一番下段の一番右の方の二〇一五年。GDPの統計の改定がされて、二〇一五年の、平成二十三年基準だと五百三十二・二兆円、そして平成十七年基準だと五百・六兆円ということで、その改定によって、二〇一五年は三十一・六兆円の改定幅が生まれた。そのうちの二〇〇八年SNA対応が二十四・一兆円に対して、その他が七・五兆円だと。このその他が多いのではないか、あるいは、さまざまな委員が御指摘あったように、これが非常に大きいのではないかということでございますが、改めて伺います。
 私も事務方の皆さんから御説明をいただいたんですけれども、このその他というのは何ですかね。お伺いします。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のその他要因でございますが、五年ごとに行われます国勢調査や産業連関表等の基礎資料の反映や最新の知見に基づく推計手法の反映によるものでございます。

稲富委員 これを見ていただいて、横系列で見ると、二〇一二年、二〇一三年、二〇一四、二〇一五から、プラスにその他がなっております。特に、二〇一三、一四、一五が四・〇、五・三、七・五と、その他が急激にふえている。
 これについても、なぜこうなっているのか、お伺いします。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 その他要因の増加に寄与した大きなものといたしましては、建設部門の推計方法の改善がございます。これは、旧基準では、建設資材等建設工事にかかった費用、いわゆるインプットから建設投資額を推計したのに対しまして、新基準では、建設工事の実際の生産額、いわゆるアウトプットを用いることによりまして、GDPの概念により適した推計方法に改善されたところでございます。この結果、復興関係を始めとします公共事業の増加とともにその他要因が増加した可能性があると考えております。
 この建設工事に関しますGDP改定額でございますが、二〇一二年度がマイナスの一・一兆円、二〇一三年度がプラスの二・四兆円となっておりまして、両年で三・五兆円程度の差が生じている。これが、二〇一二年度から二〇一三年度にかけてその他要因が大きくなった要因と承知しております。
 また、二〇一五年度につきましては、今回の基準改定の直近年度でありますため、基準改定による影響に加えまして、速報値、いわゆるQEでございますが、そこから確報値への改定が含まれます。このため、二〇一四年度以前の年よりも改定要因が多く、改定の幅も大きくなったと承知しております。

稲富委員 御説明ありがとうございます。
 ただ、私はなかなか理解が難しいです。と申しますのは、こういう手続をやったからこういうふうになったというのは、それは一定程度あると思うんです。ただ、なぜそれが起こったのかということなんですよね。経済事象として、手法はこう変わったからこう数字が変わったというのは、それはそうなんでしょう。ただ、問題は、なぜそういうふうな事象が起こったかという説明がないとわからない。
 これは、事務方の方に伺ったら、それは民間エコノミストはこう言った、こういうふうに分析をしているとおっしゃっていますけれども、では、国としてどう分析しているのか、なぜ国としてこれがふえたのかという分析を聞きたいんですよね。
 改めてこの点は委員会でも追っていきたいと思います。ありがとうございました。

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