国会活動

平成31年4月11日 総務委員会「ふるさと納税について」等

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案件:
■行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件
■地方自治及び地方税財政に関する件
■情報通信及び電波に関する件
■郵政事業に関する件
■消防に関する件
■電波法の一部を改正する法律案
■電気通信事業法の一部を改正する法律案

江田委員長 次に、稲富修二君。

稲富委員 国民民主党の稲富修二でございます。
 きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 きょうは、ふるさと納税、宿泊税、そして住宅関係のことについて御質問してまいります。
 まず、ふるさと納税についてでございます。
 ふるさと納税制度の対象となる地方団体を指定する基準が、四月一日、告示で発出をされました。
 そして、その各地方団体が申出をする手続、昨日四月十日が申出期限かと思います。ちょっと通告をしておりませんが、その提出、各団体、どれぐらいになっているのか。もし今わかれば教えていただければと存じますが。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 大変恐縮でございますけれども、今現在状況を確認中でございまして、本日午後には取りまとめることができるかと存じます。

稲富委員 ありがとうございます。
 それでは、お手元の資料の二ページ目から少しお尋ねをしてまいります。
 地方団体を指定する基準について、基準一、二、三ということで、まず一、適正に実施すること、二が、返礼品は返礼割合三割以下、三が、返礼品は地場産品ということでございますが、まず、この適正に実施すること、これについて、何をもって適正とするか、御説明をお願いいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の、寄附金の募集の適正な実施に係る基準でございますけれども、今国会におきます改正後の地方税法の規定に基づきまして、四月一日に総務省告示を定めたところでございます。
 その中で、寄附金の募集に係る取組といたしまして、返礼品等を強調した寄附者を誘引するための宣伝広告、寄附者による適切な寄附先の選択を阻害するような表現を用いた情報提供を行わないことや、各年度において募集に要した費用の額がふるさと納税受入額の五〇%以下であること、ふるさと納税制度の趣旨に反する方法により他の地方団体に多大な影響を及ぼすような募集を行い、著しく多額の寄附金を受領した地方団体でないことといった内容を定めているところでございます。
 さらに、地方団体に対しましては、これらの告示の内容をよりかみ砕いて、どのような内容が当該基準に該当するかどうかについての具体例等をQアンドAの形でお示しをしておりまして、例えば、さきに述べました適切な寄附先の選択を阻害するような表現として、お得とか、コストパフォーマンス最強とか、還元といったものが該当すると考えられること等を丁寧に御説明を申し上げているところでございます。

稲富委員 引き続き、この三割以下というのは比較的わかりやすいんですが、基準三の地場産品、何をもって地場産品とするのか、お答えをお願いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 いわゆる地場産品につきましては、今国会における改正後の地方税法におきまして、当該団体の区域内において生産された物品又は提供される役務その他これらに類するものであって、総務大臣が定める基準に適合するものと規定しておりまして、この基準を四月一日に総務省告示として定めたところでございます。
 その中で、例えば物品について申しますと、当該地方団体の区域内において、生産されたもの、原材料の主要な部分が生産されたもの、製造、加工その他の工程のうち主要な部分を行うことにより相応の付加価値が生じているもの等を規定しておりまして、それから役務、いわゆるサービスでございますけれども、これにつきましては、当該地方団体の区域内において提供される役務その他これに準ずるものであって、当該役務の主要な部分が当該地方団体に相当程度関連性のあるものであることと規定しているところでございます。
 これらの内容は、全国全ての地方団体に対しまして意見照会を行った結果を踏まえまして、地域資源を最大限活用し、地域経済を活性化しようと創意工夫を行う地方団体の取組をできる限り反映したところでございます。

稲富委員 ありがとうございます。
 QAの冊子も私も拝見しまして、少し具体的にお伺いしたいと思います。
 資料の三をごらんいただければと存じます。これは新聞の、西日本新聞、昨年十一月十八日にあった広告なんですけれども、まず、この新聞広告、これは許されるのかどうか、お答えをお願いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 新聞広告も宣伝広告に当たるかと存じますけれども、返礼品等を強調した寄附者を誘引するための宣伝広告、これは先ほどの基準からしますと適合しないということになろうかと存じます。

稲富委員 済みません、ちょっと、今よく、ごめんなさい、つかめなかったんですが、新聞でこういう広告をすることは許されているのか。そして、インターネット、ホームページ等、民間のサイトで、ポータルサイトで募集することは許されているのか。新聞はいいのか、民間のポータルサイトはいいのか、この二つ、済みません、もう一度明確にお答えをお願いします。

内藤政府参考人 新聞ですとかインターネットによる広告は、先ほど申し上げましたように、宣伝広告に当たると整理をしております。それから、民間事業者のポータルサイトによりまして募集をしているケースにつきましては情報提供というふうに整理をしておるところでございまして、前者の宣伝広告につきましては、先ほど、返礼品等を強調した寄附者を誘引するための宣伝広告というのは避けていただくということにしておりますし、情報提供につきましても、寄附者による適切な寄附先の選択を阻害するような表現を用いた情報提供、これを行わないということで基準を定めているところでございます。

稲富委員 済みません、ありがとうございます。
 宣伝広告、情報提供で違うんだという整理をいただいたのかと思いますが、もう一度ちょっと重ねてお伺いしますが、要するに新聞広告はだめだということ、そしてポータルサイトの場合は情報提供の範囲であれば大丈夫であるということかと理解をいたしましたが、その二つを分ける理由、それをお伺いをいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げましたように、例えば新聞でございましても、返礼品等を強調した宣伝広告、これは行わないことというふうにしておりまして、全く強調していなくて、その地域を、その魅力をアピールするために新聞広告をするということもございますので、新聞広告一般をだめだと言っているということではございません。
 そういうこともございまして、新聞広告、いわゆる宣伝広告、それからポータルサイトでさまざま情報提供をするときにもいろんな形態がございますので、いわゆる宣伝広告とは分けて検討した方がいいだろうということで、こういう整理をしたところでございます。

稲富委員 ありがとうございます。
 媒体というよりも、宣伝の仕方あるいは広告の仕方によって違うということかなと思いました。
 それで、改めてこれは伺います。
 適正なというところなんですけれども、例えば、今お配りをしているこの宣伝なんですけれども、これは明らかに新聞での、恐らく過大な広告になろうかと思いますが、文言について、先ほど局長からもありました、例えばここである、「ふるさと納税するなら今!」「プレゼントキャンペーン」あるいは「人気返礼品 Best1」、これらの文言というのはいかがでしょうか。これは基準を満たすのか満たさないのか、お伺いをいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今拝見をいたしたところでございますので、個別に具体的にどうかということをお答えするのは大変難しゅうございますけれども、先ほど申し上げましたように、これが新聞広告で宣伝広告に当たるといたしますと、返礼品等を強調した寄附者を誘引するためのという文言との関係は問われてくるかと存じます。

稲富委員 ありがとうございます。こういった言葉も少し検討が必要だという御答弁かと思います。
 それで、地場産品についてなんですけれども、ここに「QUOカード」と書いてありますけれども、これは地場産品になるのかどうか、お伺いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 地方団体が負担をする形でクオカードをお配りをする場合には返礼品に当たるというふうに考えております。その際、今委員御指摘の地場産品に当たるかということに関しては、地場産品には該当しないと考えております。

稲富委員 ありがとうございます。
 「GIFT CARD」、ここに丸をしていますけれども、クオカードに限らず、例えばこれまでの返礼品の中であったような旅館、地元の旅館のクーポン券とかそういったものは、もし仮にそういうものであれば、カードであっても、要するにその地元で使うものであれば、それは地場産品と言えるのかどうか、御答弁をお願いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたいわゆる旅行券でございますけれども、これにつきましてはQアンドAで、当該地方団体を訪れまして区域内で宿泊することを条件とする旅行券や旅行クーポン、これは主要な役務がその区域内で提供されているということでございますので、地場産品に該当するというふうに考えております。

稲富委員 ありがとうございます。
 これは全体として、返礼品含めて経費含めて五割以下であるということが基準としてあったと思うんですけれども、広告、情報提供が仮に四割ぐらいかかって、返礼品そのものは一割ということでも、それは基準を満たすのかどうか、お伺いをします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 現在定めております基準上は満たすことになるかと存じます。

稲富委員 ありがとうございます。
 ということは、返礼品は少ないとしても、大量のチラシをつくってそれで周辺地域にばらまくということが、仮に五割以下であればそれは許されるということ、そういうことかなというふうに今思いました。それは、あくまで経費が五割、そして返礼品が一割の中で、五割以下であれば、宣伝広告はだめということでしたけれども、情報提供の範囲であればそれは許されるということかなと思いました。
 それで、ここで私、改めて思うんですけれども、例えば、今御提供した資料、「ふるさと納税するなら今!」「プレゼントキャンペーン」「Best1」とか、これがいいのか悪いのかということは、合理的な説明が実はできない話です。
 先ほどQAの中にも、こういう文言はだめだ、こういう文言は許されないということがQAの中にもあります。ただ、これも、じゃ、「プレゼントキャンペーン」はよくて「Best1」はだめなのか、「ふるさと納税するなら今!」はいいけれども「Best1」はだめなのかとか、まあ言うと、こういう議論は、率直に言って、全く意味のない話というか、私はしたくないんです。
 これはいいのか、これは悪いのかということは、非常に、何かこう、軽減税率をすごく思い出しますけれども、こういうことを一々役所が、これがいい、これが悪い、この表現ならいい、この表現ならよくないということを延々とやっていくんですかというのが私の問題意識です。
 大臣、ちょっとごめんなさい、こういったことを、どこまでいいのかということをやるのが、非常に生産的でもないし、しかし、基準を満たす満たさない上で、非常にそれをやらざるを得なくなっているというこの現状、何とか、ちょっと、もう一度明確に整理しないと、一々そのたびに、これはいいのか、これは悪いのかということになるというのは非常に非生産的だと思うんですけれども、御答弁お願いします。

石田国務大臣 ふるさと納税にかかわっては、今までもいろいろ御議論いただきましたけれども、幅広い御議論がございました。もうやめるべきだという方もおられますし、もっと拡大すべきだという方がおられるわけでありまして、そういう中で、さまざまな関係の団体の市町村長さん始め皆さんの御意見をお聞きし、また現状を見る中で、一定の方針として、地場産品であり、なおかつ三割ぐらいということが妥当ではないかということで基準をつくったわけであります。
 常々申し上げておりますように、ふるさと納税制度というのは、やはり趣旨がございまして、そして同時に、それぞれの自治体の、都市の自治体あるいは地方の自治体、そういう自治体関係の皆さん方の御理解もいただく中で健全に発展してもらいたい、そういう思いで我々総務省としてはやっておるわけでありまして、その一定のルールの中で良識ある対応をしていただくということがまず基本だというふうに思っております。
 それが、ここはどうかというような微妙な問題についてはやはり一定の判断を示させていただくことはあると思いますけれども、基本は、私はやはり、担当されるといいますか、市町村長さん、公の立場でございますので、そういう観点から御判断をいただくということが、これは政治をやっているわけですから、政治行政をやっているという立場で考えれば、やはり公の立場に立って適切かどうかという御判断をぜひいただきたいなと思っております。

稲富委員 ありがとうございます。
 次の資料四ページ、これは福岡県の直方市のふるさと納税の記事なんですけれども、昨年十二月から一カ月間限定でということで家電製品を返礼品として募集をしたということ。その中で、バルミューダ製トースター、アップルウオッチ、iPadなどを返礼品として寄附を募ったところ、多額の寄附が一カ月以内で集まった。ただ、一カ月以内にその電気製品をお送りするということになっていたんですけれども、余りの数があって、実際にはその寄附の方にお送りできなかったということでございます。そのお送りできなかった分については、価格相当額となる三千九十五万円分の商品券を寄附者に送るということで、現物はだめなので商品券でお送りすることに市はしたということが書いてあるんですね。
 ここで重要なのは、私が思ったのは、この一段目の一番左側なんですけれども、「市には「詐欺まがいだ」などと抗議が殺到している。」ということなんですけれども、先ほど大臣おっしゃったように、ふるさとへの感謝を示すこと、そして納税者が寄附先を選べる、そういう趣旨でふるさと納税はあるという中にあって、詐欺まがいだとか、こういったことが声として出てくること自体が、そもそものふるさと納税の趣旨から全く離れている話だと思います。
 これは、じゃ、その詐欺まがいだと言っている方がおかしいのか、というわけじゃ私はないと思うんです。これは仕組みそのものが、やはり返礼品競争になってしまい、結局こうなってしまっている。ふるさとへの感謝とか、我々が思っている当初の政策目的が全く違う方向になっているんじゃないかと思うんです。改めて、こういったことになった以上、やはり、私、このふるさと納税制度、本当に残念ですけれども、こんなふうになってしまったら元も子もないと。
 質問いたします。
 直方市、十二月なので、恐らく十一月一日からの、申出以降の各自治体の取組についてを加味して、次はその申出があった場合の審査をするということだったと思うんですけれども、例えばこういったことをやる、例えばですけれども、一般論で結構ですが、こういう取組をした場合には、その審査において、申出があったとしてもそれははねられるといいますか、採択をされないということがあり得るのか、お伺いをいたします。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 一般論としてお答え申し上げますと、先ほど御説明申し上げました基準を含めて、指定のための基準というのを明確に定めているところでございますので、その基準に該当するかどうかということを今後精査をし、指定行為をしてまいりたいと考えております。

稲富委員 ありがとうございます。
 それでは次に、宿泊税についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 我が福岡は、福岡市と福岡県の間で、宿泊税をどちらが課税するかということで議論がございます。
 そこで、基本的な事実確認を少しさせていただければと思います。現状、宿泊税、現在の導入自治体はどのようなところがあるか、お伺いをいたします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 平成三十一年四月一日現在でございますけれども、法定外目的税として宿泊税を導入している自治体は、都道府県では東京都、大阪府、京都府でございまして、市町村では金沢市でございます。計四団体において宿泊税が課されているところでございます。

稲富委員 課税対象、課税金額、あわせてお伺いをします。

内藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 課税客体でございますけれども、旅館、ホテル等への宿泊行為でございますが、大阪府、京都府、京都市、金沢市につきましては、いわゆる民泊施設も対象とされているところでございます。
 課税金額につきましては、一泊当たりの宿泊料金に応じまして、百円から、多いところでは千円が課されているところでございます。

稲富委員 この対象の施設については、例えば、大阪と東京、あるいは金沢市、同じ旅館、ホテルであっても少し、若干違うかと思うんですけれども、その点、御教示いただければと思うんですが。民泊ですね、民泊がどこの対象に入っているかということをお伺いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 民泊施設を課税対象としているところにつきましては、大阪府、京都市、金沢市でございます。
 先ほどの御答弁で京都府と申し上げましたけれども、京都市でございます。訂正させていただきます。

稲富委員 ありがとうございます。
 そもそもの宿泊税導入目的についてお伺いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 現在導入しております四団体につきましては、いずれも、都市としての魅力を高めますとともに、観光の振興を図るため、それらの施策に係る必要な財源を確保することを目的として、それぞれの税条例の第一条にその旨を規定しているものと承知をいたしております。

稲富委員 税収の使途なんですけれども、宿泊税は法定外目的税とされておると承知していますが、その税収の使途はどのようになっているか、お伺いをします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 四団体いずれも、御指摘ございましたように、法定外目的税として導入をされておられまして、いずれも、都市の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策に要する費用を税収の使途としていると承知をしておりまして、具体的には、例えば、町の個性や魅力を増すための取組ですとか、観光客の受入れ環境の充実とか、多言語対応の強化、景観保全、情報発信の強化等が使途とされているものと承知をいたしております。

稲富委員 ありがとうございます。
 そこで、課税客体、課税対象についてなんですけれども、宿泊施設、ホテルが課税対象だとした場合に、県と市が同じようにそこに対して課税をした場合は、これは二重課税ということになるのかどうか、お伺いをします。

石田国務大臣 宿泊税は地方税法上の法定外税でありまして、制度上は県も市も導入することが可能でございまして、都道府県と市町村において、課税標準の一部が同じである法定外税を課している例もあるわけでございます。
 以上です。

稲富委員 済みません、ごめんなさい、ちょっと私、今フォローができませんでした。同じ宿泊をされたお客様に対して、例えば二百円なら二百円を課税をする、一方で、市は二百円、県は例えば百円を課すということは、これは二重課税になるのかということをお伺いをしております。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 制度的には、先ほど大臣が御答弁されましたように、県も市も導入することが可能でございますので、同じ課税客体に同じ課税標準で課税をするということも制度的には可能な仕組みとなっております。

稲富委員 ありがとうございます。
 制度的には可能ということで、今回、例えば新税を導入、宿泊税を導入をする場合は、法定外のものについては最終的には総務大臣の同意が必要だと理解をしますが、この場合、可能であるということでしょうから、最終的にはこれは、今のような宿泊税の形であれば、私からすると二重課税ですけれども、それは同意をされるということの理解でよろしいんでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。
 それぞれ個別の税につきまして御協議いただきましたときに、同意するか同意できないかということを判断いたしますので、個別にはなかなかお答えしづろうございますけれども、一般論として申し上げますと、法定外税の協議を受けました場合には、地方税法におきまして、「国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること。」それから「地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。」「国の経済施策に照らして適当でないこと。」に該当すると認める場合を除きまして、同意しなければならないということとされておりまして、この同意基準に沿って検討することとなると考えております。

稲富委員 ありがとうございます。
 個別にその場で、さっきの三つの要件に照らして判断をするということかと思いました。ありがとうございました。
 最後に、あと残り時間で、単身世帯についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 三月七日の当委員会において、高齢者の単身世帯がふえている、そしてそれに対する対策が必要だということで御質疑をこの場でさせていただきました。
 現在のところ、全ての世帯でいうと単身世帯が一番多い世帯に変わってきている、全世帯に占める一人世帯が一番多い、そして二人世帯も徐々にふえてきておって、これは一種、単身世帯予備軍としてふえている、二〇四〇年には単身世帯が四割になるということをこの場で申し上げさせていただいて、その上で、それに対する、そういう世帯に対する政策が必要だ、衣食住でいうと住が必要であるということを申し上げさせていただきました。
 それに対して大臣からは、二〇四〇年という指標、逆算をして顕在化する諸課題について、第三十二次地方制度調査会において議論していくということを御答弁をいただいたかと思います。
 そこで、お手元の最後のページ、ごらんいただけますでしょうか。
 今、単身世帯の経済状況です。単身世帯の総所得、一番上の表ですけれども、二百四万円。夫婦がいらっしゃった場合は四百十五万円ということで、約半分以下になるということでございます。そして、下のところに、見ていただくと、一世帯当たりの平均所得の中で、単独世帯の中で五階層、1から5まで所得階層に分けた場合に、平均したら二百四万円だけれども、一番低い階層は百二十三万円であるということで、月十万円程度、恐らく国民年金プラスアルファというのが収入かと思います。
 という生活感の中で、やはり住宅をどうするかということは極めて大きな、生活においての問題であろうと思います。
 そこで、きょうは国交省にお越しをいただいて、基本的な点を、事実確認をさせてください。全住宅に占める持家と賃貸の比率、そして賃貸の中での公営住宅の割合についてお伺いをします。

眞鍋政府参考人 賃貸住宅と公営住宅についての御質問にお答えいたします。
 総務省が平成二十五年に行った住宅・土地統計調査によりますれば、我が国で居住されている、つまりお住まいになっている住宅のストックは約五千二百十万戸、このうち持家は約六割に当たる三千二百八万戸、借家は約四割に当たる約一千八百五十二万戸となっております。
 このうち公営の借家と分類されるものは約百九十六万戸となってございますので、先ほどの借家の割合というのを計算いたしますと約一割ということになるわけでございます。

稲富委員 ありがとうございます。
 今お話があったように、賃貸は四割、うち公営はその中で一割という御答弁がございました。
 大臣、最後、お伺いをします。
 今、高齢単身世帯がこれから確実にふえていくということがわかっていて、しかし、先ほどの単身世帯の中の一番収入が低い方というのは大体月十万円程度の収入の中で、やはり地域を歩いていても、この収入の中で一人世帯でどうやって暮らしていくのかというふうに率直に思う場面がたくさんあります。そして、その世帯が確実にこれから二〇四〇年に向けてふえていくということもわかっている。そして、二〇四〇年の単身世帯の一番多い世帯は七十五歳以上です。そして、その次は六十五歳以上。二十代、若い世代の単身世帯はその次の次ぐらいです。
 という中にあって、単身世帯、ひとり暮らしの世帯を対象として、例えば、財政が豊かな地方公共団体が住宅手当等を支給するということはできるかもしれません。しかし、そうじゃない、財政力がないところは、その単身世帯に向けて、何か住宅補助あるいはそういう促進制度というのはなかなか持ちにくいわけです。
 当委員会で私がこの問題を指摘させて、御質問させていただいているのは、やはり地方自治あるいは我々の暮らしの一番近いところの大臣として、住宅手当事業を何か横展開するような、そのような地方財政措置というものが何か考えられないかというふうに思うわけですけれども、大臣の見解をお伺いします。

石田国務大臣 先ほど国土交通省から答弁がございましたけれども、平成二十九年十月に新たに施行されました住宅セーフティーネット制度におきまして、単身高齢者を含む住宅確保要配慮者のうち、低額所得者の入居負担軽減のための支援措置が設けられていると承知をいたしております。
 地方団体がこの支援措置を実施する場合には、その地方負担分について地方財政措置が講じられているところでありまして、引き続き適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
 また、その上でということになりますが、単身高齢世帯に対する家賃補助等につきましては、一義的に所管省庁である国土交通省において検討されるべきものと考えておりまして、国土交通大臣の委員会での答弁におきましても幾つかの課題が指摘されておりまして、慎重に検討すべきものと考えております。
 総務省といたしましても、地域の課題でございますので注意深く見守ってまいりたいと思っております。

稲富委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

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