国会活動

平成30年5月31日 内閣委員会「カジノ施設について」

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案件:
■特定複合観光施設区域整備法案

山際委員長 次に、稲富修二君。

稲富委員 きょうは、さまざまな立場から御教示をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、美原先生そして石川先生にお伺いをいたします。
 先ほどの御答弁でもありましたように、基本的には、IRが地域の活性化そして地域再生につながるというお立場かと思います。
 そこで、今回、三つという限定がされましたけれども、その評価と、今後、もしつながるのであればもっと数は多い方がいいとお考えなのかどうか、お伺いをします。

美原参考人 数を限定するとしたわけでございますが、私、二十年来、国会議員先生とIRの原案を議論する席にたまたま在籍しておりましたが、当時から、与野党の先生方も含めて、日本型IRの数は最初から限定したい、こういう政治的意思があったというふうに伺っております。
 全国津々浦々にこのIRができることは一切前提にしていない、明確に確実に成功を期そう、そのためには、しっかりとした制度のもとに数を限定して、国民にまずわかりやすい成功例を持ってこよう、そうすることによって国民の信頼と信用を得た上で、もしその事実を国民が納得するならば政治的に数をふやしてもいいのではないか、そういうお考え方であるとお聞きしておりますし、私も、それは健全な政策ではないか、こういうふうに考えております。

石川参考人 私も、美原参考人の意見に特につけ加えることはありませんが、IR、カジノとしてもいいかもしれませんが、その参入を無制限に認める国、地域というのは、恐らく先進国ではないんだろうと思います。必ず、シンガポールであれマサチューセッツであれ、上限を決めている。ネバダはもちろん自由競争、自由参入でありますが、日本とは置かれている環境が違うということで、日本の参考にはならないと思います。
 三つがいいかどうかというのは、これは政策論、バランス論でありますので、私からは何とも申し上げませんが、やはり確実に成功する、そして国民の理解を得て進めるという観点からは、妥当な数字ではないかというふうに考えております。

稲富委員 ありがとうございます。
 引き続き、美原先生そして石川先生にお伺いします。
 日本版のIRを今回つくるに当たって、海外からお客様を呼び込むということも書かれておりますし、御答弁も何度も、大臣からもありました。
 その考える際に、日本の外、海外にもたくさんあるわけで、そうしたことを考えたとき、日本の優位性というか、日本版IRの優位性は他国のIRと比べてどういうところに考え得るか、あるいはそういうことを制度として組み込むかということについて、ぜひお伺いをいたします。

美原参考人 アジアの他国と比しまして日本が持っている最大のメリットというのは、観光資源の豊かさにあります。歴史、文化、伝統、芸能、食、あらゆる観点において、アジアにおいて突出した文化と観光資源を持っているというのが我が国でもあるわけですね。
 残念ながら、その魅力を海外に対して発信する拠点というのは、実は日本人は下手でございます。日本の公共団体も、今まで、本当に外国人旅客を日本に呼び寄せるのか。直近ではかなり、二千八百万人まで伸びていますけれども、まだまだ足りない。ロンドンあるいはパリを見ても、国民の数を上回る来訪客が一つの都市に来ている。我が国の将来的な観光施策を考えてみた場合、あるいはこの豊かな観光資源を考えてみた場合、ロンドン、パリに匹敵し得るような来訪客が来てもおかしくないのではないか、こういうふうに思います。
 そういった意味においては、IRを拠点に、できる限り多くのコンベンショニストあるいは観光客を日本に招請するというのは極めて健全な政策ではないかと思いますし、IRみたいな観光拠点があって初めて、さまざまなコンベンションとか国際会議、観光客を招聘できるのではないか、こういうふうに思っています。

石川参考人 アジア各国とのそういったIRをめぐる競争という御質問と理解しましたが、日本の魅力というのはやはり多様性であると思います。食だけではなく、自然、文化、歴史、これだけのものが比較的コンパクトな、日本国内、大体飛行機で二、三時間あればどこでも行けるという中に集まっている国というのは、恐らくほかになかなかないんだろうというふうに思います。そういった日本の魅力、多様性、今ある観光資源を新しい時代に即した形で表現する、それがIRなんだろうというふうに思います。
 もちろん、既存の伝統的な日本旅館であるとか温泉であるとか、それ自体もすばらしく魅力があるわけですが、一方、新しい時代の要請、例えばバリアフリーであるとか、フリーのWiFiがいつでもどこでもアクセスしやすいであるとか、最近ですと、いろいろな、LGBT、ダイバーシティーの問題、そういったものに対応した宿泊施設、観光施設というのがもっと日本にあっていいんだろう。そうなると、外国人の方もふえるし、日本の国内の旅行者も満足度が上がるのではないかというふうに考えております。

稲富委員 引き続き、美原先生、石川先生にお伺いします。
 海外から来られるということを目的の一つとする場合に、先ほど来ちょっと議論がありましたけれども、日本人と海外から来られる方の割合を、どの程度を我が国として目標とするか、どう考えるかということなんですけれども、大体、海外からどれぐらいの割合の方に来ていただきたいのか。そういった目標、あるいはその目安でもいいです、海外の方に五割ぐらい来てほしいのか、六割来てほしいのか、いや、二割でいいのか。やはりそこら辺がないとなかなか、ちょっと私なんかイメージがつかないものですから、大体どれぐらいの方に来ていただこう、もしそういうお考えがあればお伺いをいたします。

美原参考人 大変難しい微妙な御質問であるかと思います。
 マカオを見てみましょう。マカオは、九〇%が中国人です。中国しか向いていない市場ですね。
 シンガポールを見てみましょう。実際シンガポールに行っているお客は、シンガポール人じゃございません、数的には東南アジアの華僑です。それと、シンガポールに在住する在留低所得外国人層が主な顧客になっている実態がございます。
 日本はどう考えるべきでしょう。さまざまな議論がございます。
 これは、IRを考える地方公共団体並びに民間事業者がどういうビジネスプランを持ってくるのか、何を考えるのか、大都市なのか、地方なのか、観光都市なのか、あるいはどういう観光特性を持っているのかによっても違ってきます。どういう中核施設を持って、どういうふうな施設をつくるのかによっても集客のあり方は違ってくるのではないかと思います。
 例えば、大都市、MICE施設がある。多分、膨大なお客が何十万人という形で海外から、日本から来るでしょうね。そういった意味においては、大都市型のIRというのは日本人の構成が大きいかもしれません。
 カジノはどうでしょうか。どういう形で、どういうビジネス戦略をとるかによっても変わってきます。いろいろな考え方がとれますね。単純でないのは、例えば、考えてみてください、三千人の日本人のお客を呼ぶことと一人、二人の中国人のVIPを呼ぶことが経済効果が同じであるというふうに考えてみた場合、数だけで物事を判断するのは必ずしも適正ではないということをおわかりいただけると思います。
 どういうビジネス戦略を立てるのかということに関しては、人口稠密な東京みたいな大都市あるいは関西みたいな大都市圏においては、当然のことながら、相当数のパーセンテージを日本人顧客が占めるだろうと考えるのは合理的な推定ではないかと思います。ちょっと曖昧な形で申しわけございませんが、大都市においては相当数の日本人顧客が想定される。
 もっとも、地方における観光都市の場合はどうでございましょうか。戦略的に北海道とか九州に外国人観光客を呼ぶ、そういう観光都市であった場合、確実に外国人観光客の比率がカジノもIRに対しても多くなるのではないかということが想定されることができるわけです。
 そういった意味におきましては、地域、事業者のビジネスプランによって大きく変わる要素がある、でも重要部は日本人が占めると想定される、こういうお考えでよろしいのではないかと思います。

石川参考人 私も同じ意見でありまして、基本的には、自治体と民間事業者がどういうストーリー、どういう顧客層をターゲットにしてIRをつくるのかということによるものであろう。したがって、国の方で外国人比率をこれぐらいにしなさいとか日本人比率はこれくらいにしなさいと言うのは、少し筋が、話が違うのかなというふうに思っております。
 ただ、気持ちとしては外国人十割、日本人十割、たくさん来ていただきたいと思っております。

稲富委員 ありがとうございます。
 続きまして、IRの経済性についてちょっとお伺いをいたします。
 経済効果については、民間のさまざまな試算がございます。そこで、美原先生そして鳥畑先生にお伺いします。
 さまざまな試算があって、一体これは幾らの事業なのかということは政府に聞いてもなかなか出てこない。恐らく、これから各自治体と、もちろん政府の計画の中でということなんですけれども、しかし、やはり、大体どれぐらいなのかという規模感がない中ではなかなか議論しにくいのが率直なところです。
 幾らの投資なのか、幾らの事業なのか。大体百億のオーダーなのか、千億のオーダーなのか、一兆のオーダーなのか。そこら辺のところが、海外の事例もぜひ教えていただきながら、大体、今回の仮に三カ所とした場合にどれぐらいの投資になるのか、ぜひ御見解をお伺いします。

美原参考人 これもまた大変難しい微妙な御質問であるというふうに認識しております。
 どういう形の経済規模になるのかというのは、中核施設の内容、施設の規模、カジノ施設の規模等、今後、政令ないしはカジノ管理委員会の規則で定められる詳細な規則をもって初めて、一定地域においてどういう施設をつくることが合理的なのか、例えば国際規模のMICEとはどういう程度の規模を示すものなのか、国際規模の国際会議室、どういうふうな施設をつくるかによっても大きな投資判断指標というのが変わってくるわけでございます。
 経済効果試算というのは、当然、投資効果があって初めて、売上げ予測があって初めてできるものでございますけれども、残念ながら、今の状況では、さまざまな経済指標を確定的に定めることが極めて難しい状況にあります。恐らく、基本方針策定、今から一定期間後、国が基本方針を定める段階になりますとさまざまなパラメーターを固定できることになりますので、その段階で、地域独自に、ではどのくらいの施設が要求されるのか、これに対してどのくらいの投資規模が期待されるのかを見て初めて経済効果試算、事業者による投資判断というのが出てくるのではないかと思います。
 ただ、五十万平米以上の会議施設とか一万人を超える会議室とか、そういう試算をもってしても、もしこういったものが九七%を占めるとなりますと、当然のことながら、数千億円から七、八千億円の総投資額がなければまずできないと思いますね。当然、大都市においては、今政府が期待する世界規模の大規模MICE施設、ホテル等々がある場合には、やはり相当規模の投資が前提にならざるを得ないということが言えるのではないかと思います。

鳥畑参考人 日本でカジノ、IRをつくった場合にどれぐらいのカジノ収益が期待できるのかということについては、途中で議論が大きく変わったんじゃないかなと思っているんです。
 九九年にお台場カジノ構想ができたときは、二十四時間眠らない東京都市といいますか、ヨーロッパを念頭に置いた、ホテルにカジノを加えたような感じのものをまず想定していたわけですね。
 そのころの議論というのは、実際、海外の事例で、カジノの周辺人口、それから来客率とか一人当たりの消費額とか、そういうボトムアップ型で積み重ねてきた。そうすると、どうしても規模は小さくなっちゃうんですね。カジノの収益として、やはり数百億円程度にしかならない。
 実際に、きょう、図表の十六で、ラスベガスのストリップ地区のカジノ、例えばカジノの売上げが七千万ドル以上の大型カジノがあそこに二十四あるんです。二十四合わせても、昨年のカジノの売上げが五十六億ドルぐらいなんです。もう二、三億ドルぐらい。したがって、あれだけ創意工夫というか魅力的な施設をつくって、行ってみると、確かに皆さん、リッチな方が来客しているんですが、それでもカジノのもうけは数百億円なんですね。
 ところが、日本では、途中で、IRの経済効果を強調することで違法性を阻却しようという議論になったときに、議論の組立て方が、投資規模から逆算するようになったと思うんです。百億ドルの投資が可能だよ、したがって百億ドルの投資を支えるためにはこれだけのカジノが必要だねという議論にどうも逆転をした。
 その推計をするときに、どうしても、海外のカジノではこれだけもうかっているからという、海外の施設の数値をそのまま横滑りさせてくる。したがって、マカオでカジノはこれだけもうかっているから、日本でもこれだけもうかるはずだみたいな、ちょっと逆さまの議論になっていて、かなり投資の見通しとしてはずさんなものになっているんじゃないか。
 かつてのリゾート法のような二の舞になる。でも、かつてのリゾート法は税金で負担ということになったんだけれども、今度は国民をギャンブル漬けにすることによって担保するような仕組みになっているんじゃないかというのが懸念なんです。
 失礼します。

稲富委員 最後の質問にいたします。鳥畑先生そして新里先生に御質問いたします。
 これは莫大な、巨大な投資であるということは、もう皆さんお話しいただいたとおりです。うまくいけばいいんですけれども、最悪のシナリオの場合どうなるかということをぜひ伺いたいんですね。最悪のシナリオの場合、何千億という投資をしたときに、要するに民間企業です、それをどうするのか。潰せるのか、潰せないのか。人手を、何万人という雇用があったときに、どうやって潰すのか。誰か引き継ぐところがあるのか。そういう最悪のシナリオのときはどういうことが想定されるのか、ぜひお伺いをいたします。

鳥畑参考人 例えば、その最悪の事態というものが、アメリカのアトランティックシティーで発生をしているんじゃないか。
 図表の十七でお示ししておりますが、あの近隣、ニューヨーク州であるとかペンシルベニア州がカジノを合法化する、過当競争でニュージャージー州アトランティックシティーのカジノの収益が大きく落ち込みまして、既に五つのカジノが破綻をする、税収が大きく減収をするということになっております。
 同様の事態が、ミシシッピ州のテュニカでも起きていまして、テュニカもカジノ収益を当てにして、水族館とかいろいろな道路を整備するとかいうことをやりました。そうしますと、結局、カジノ依存の経済をつくったときに、カジノ以外の産業がかなり衰退してしまう。それで、カジノにかわる産業がなくなったところで、カジノを失ってしまったときに地域経済というのは非常に深刻な問題に直面をするんだろうなと。
 それから、背伸びをして投資規模を大きくすればするほど最終的な担保は、結局、カジノ規制を緩めてカジノをもっともうかるようにしなければならないじゃないですかということで、例えば納付金の比率を下げるであるとか、さまざまな規制を緩和するであるとか、それから、たしかテュニカの場合は地元自治体への補助金ですかね、議論もされたと記憶をしております。
 といった意味では、非常にリスクの高い選択になるんだろうなというふうに考えております。

新里参考人 鳥畑参考人と同様とは思いますけれども、どうも、地方競馬でも、例えば自治体が貸付けをせざるを得ないとかといって、結局潰せないまま貸付けがふえていってしまうというようなこともある。
 それから、やはり税収に一定頼ることになってしまって、もうなければ暮らせないからそういう貸付けをせざるを得ないような事態にもなりかねないということで、大変、自治体自体の存続の問題になるのかなと。
 それから、潰してしまうとまさしく雇用が失われてしまう、何千人の雇用を守るためにどうするんだということで、財政的負担がなされてしまう可能性すらある、それが過去の例でも出ているのではないかなというふうに思っています。
 以上です。

稲富委員 さまざまな御教示をいただきまして、ありがとうございました。
 終わります。

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