案件:
■雇用調整助成金について
■小学校休業等対応助成金について
■住宅確保給付金について
■緊急小口資金について
■障害児入所施設について
稲富修二 立国社の稲富でございます。
きょうも質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず、年金について伺います。
まず、大臣に伺います。基本的な認識です。基礎年金の平均月額は幾らなのか、そして、この水準で十分だとお考えなのか、基本認識を伺います。
加藤厚生労働大臣 国民年金の平均年金月額は、平成三十年度末において約五万六千円、正確には五万五千八百九円ということであります。
基礎年金、十分かという御指摘でありますが、基礎年金は、そもそもの考え方が、これだけで老後の生活を全て賄うものではないということであります。例えば現役世代に構築した生活基盤、貯蓄等、これを組み合わせて老後の生活を送るという考え方に立っているところであります。その上で、定額負担、定額給付の設計が行われている。
ただ、他方、所得の多寡にかかわらず一定の年金額を保障する所得再分配機能というのは大変大事であります。今回も、先ほど申し上げましたけれども、検討規定において公的年金制度の所得再分配機能の強化については盛り込んでおり、基礎年金の所得再分配機能の維持に向けてどのような方策が可能か、これは引き続き検討していく必要はあると認識をしております。
稲富修二 これから二〇四〇年に向けて、単身世帯が四割となる、あるいは、その中で女性の高齢者四人に一人がひとり暮らしということも予想されております。そういう中で、基礎年金をどう守っていくか、その水準をどう確保していくかということが極めて大事だということでございますが、提出者に伺います。
この修正案で今の点をどのように改善し、あるいは解決していくのかということを伺います。
岡本(充)委員 御質問いただきました。
低年金の問題でありますが、昨年公表された財政検証では、将来の所得代替率が五〇%を確保できるケースであっても、基礎年金の給付水準は約三割低下することが示された一方、被用者保険の適用拡大や保険料拠出期間の延長など、制度改正が基礎年金の給付水準の改善に効果的であるとのオプション試算が示されました。
しかしながら、今回の政府案では、短時間労働者への被用者保険の適用拡大に関し、賃金要件については現行の月額八万八千円以上のまま据置きであり、企業規模要件についても五十人超への引下げにとどまるなど、基礎年金の給付水準の改善に向けた取組はなお不十分であると言わざるを得ません。
その上、政府案では、公的年金制度を長期的に持続可能な制度とする取組を更に進める等の観点からマクロ経済スライドのあり方について検討を加えるとの検討条項が含まれており、この規定が将来的に基礎年金へのマクロ経済スライドの適用を一層強化することにつながるのではないかと危惧しています。
そこで、本修正案では、短時間労働者への被用者保険の適用拡大を進めるため、賃金要件を月額六万八千円以上に引き下げるとともに、企業規模要件については、令和四年には五十人超に引き下げ、さらに令和六年には企業規模要件を撤廃することとしています。また、マクロ経済スライドの完全実施による基礎年金のさらなる給付水準の低下を防ぐため、政府案の公的年金制度及びこれに関する制度についての検討事項のうち、マクロ経済スライドに係る検討事項を削除することとしています。
このほか、老齢基礎年金額の算定の基礎となる期間について、現在は四十年が限度となっていますが、この限度を最大四十五年に引き上げるための法制上の措置を講ずるものとする旨の規定を附則に追加しています。
こうした修正により、基礎年金の給付水準の低下を防ぐための取組が大きく前進するものと考えています。
なお、低年金者の生活を下支えする観点から、野党が独自に提出した法案では、年金生活者支援給付金の給付基準額を六千円に引き上げるとともに、老齢年金生活者支援給付金は、保険料免除期間がない場合には、保険料納付済み期間にかかわらず、一律月額六千円にすることとしております。
稲富修二 ありがとうございます。
そこで、先ほども答弁がありましたけれども、新たに適用されることとなる事業者に対しては必要な措置を講じるということが書かれておりますが、具体的にはどのような内容を想定しているか、御説明をお願いします。
岡本(充)委員 御質問ありがとうございます。
短時間労働者への被用者保険の適用範囲の拡大につきましては、被用者は、その働き方や企業規模にかかわらず、被用者による支え合いの仕組みである厚生年金や健康保険による保障が確保されるべきものだと考えています。
他方、適用範囲の拡大に伴い、特に中小企業者の社会保険料の負担が増加することが懸念されます。したがって、短時間労働者への被用者保険の適用範囲の拡大に当たっては、これらの中小企業者の負担に配慮する必要があると考えています。
具体的には、被用者保険の適用範囲の拡大が中小企業者に与える影響に鑑み、これらの中小企業者に対し、その経済的負担を軽減するため、新たに増加した社会保険料に相当する金額の全部又は一部の助成その他必要な措置を講ずることを想定しているところであります。
稲富修二 続きまして、政府に伺います。
今回の在職老齢年金の見直しによって就労を促すという目的があると思いますが、その効果をどう分析され、給付増によって他の年金受給者の給付が減額されることはないのか、伺います。
高橋政府参考人 いわゆる低在老でございますが、過去のデータに基づく研究の結果によりますと、低在老によります就業抑制効果につきましては、その影響を認めるものが多いというふうに承知してございます。
今回の六十代前半を対象とします在職老齢年金制度の見直しにつきましては、就労に与える影響が一定程度確認されているということ、また、六十代前半の就労、特に二〇三〇年度まで支給開始年齢の引上げが続きます女性の就労を促進する、支援するという観点、そしてまた、低在老を六十五歳以上を対象とする高在老と同じ基準とするということが制度をわかりやすくするといった観点、それらの観点から、現行の二十八万円の基準を高在老と同じ四十七万円の基準に合わせるというものでございます。
今般の低在老の見直しで年金制度が就労に対してより中立的になるということでございまして、年金も賃金も高い一定の高所得者層を除けば、年金が調整されることを気にせず就労していただけるようになるものというふうに考えてございます。
六十代前半の在職老齢年金の低在老は二〇三〇年度に終了する経過的な制度でございますので、財政的な影響ということでいえば極めて軽微でございます。今般の低在老の見直しによります給付増が年金受給者全体の給付水準に与える影響はほぼないと考えてございます。
稲富修二 次に、提出者に伺います。GPIF法の一部を改正する法律案についてでございます。
管理、運用する株式の構成割合を法定化するということとしておりますが、何が問題で、それをどう解決しようとしているのか、伺います。
中島議員 御質問ありがとうございます。お答えいたします。
安倍政権に入り、年金積立金の資産の額に占める国内外の株式の構成割合が五〇%に引き上げられて以来、リスクの高い株式の割合が高まった結果、損益の幅が非常に大きくなっております。これでは、今回の新型コロナウイルス感染拡大のような危機的な事態が一たび生じれば、株価の下落によって国民の財産が大きく目減りすることになります。このような年金積立金の運用を続けていくことは、国民の不安や不信を招くだけであり、国民の年金制度に対する信頼は損なわれてしまいます。
年金積立金は、国民の貴重な財産であるとともに、将来の年金給付の財源として重要なものです。このため、年金積立金の資産の運用に当たっては、その価値を毀損することのないよう、安全かつ確実を基本とした運用が求められます。
そこで、野党案では、年金積立金の資産の額に占める株式の構成割合について、年金積立金管理運用独立行政法人設立時の株式の構成割合を参考に、おおむね二〇%を超えない範囲で定めるものとし、これを法律上に明記することとしております。これにより、国民の年金制度に対する信頼を損なわず、年金積立金の安全かつ確実を基本とした運用を実施することができると考えております。
なお、株式の構成割合の変更については、市場その他民間活動に与える影響等を勘案して、公布の日から十年の経過措置を設けております。
以上です。
稲富修二 ありがとうございます。
年金については、まだまだ深くこれから議論をしていく必要があるかと思います。
次に、コロナ関係の質問に移ってまいります。
まず、雇用調整助成金について伺います。
まず、大臣に、簡単に、お願いといいますか、質問があります。
今回の雇用調整助成金の要件緩和によって、随分と、例えば三分の二が十分の九になったとか、いろいろなところで広報があります。しかし、この上限額については、後でちょっと申し上げますが、例えば厚生労働省が出しているパンフレット、最近出した四月二十日付のパンフレットにも上限額の記載がありません。そして、経産省がまとめた事業者に対するパンフレットの中にも、上限額の記載が実はありません。
私は、素人ながら、十分の九に上がったというのはすばらしいことじゃないか、これはいいことじゃないかと思って言ったところ、いや、実は上限額があるんだということで、それは、多くのこれまで雇用調整助成金に接したことのない方々にとってみれば、上限額が書いていないということは私は極めて問題だと思います。非常に喜んだ一方で、実は上限額があるんだということでございますので、今のままであるということであるならやはり上限額をきっちり書くべきだと思いますが、大臣、御答弁をお願いします。
加藤厚生労働大臣 どのパンフレットをお指しになっているかあれなんですが、中には記載しているものもあります。
ただ、ちょっと私も委員の質問を聞きながら思っていたのは、特例措置なので、どこが特例なのかということをやや強調し過ぎたのではないかと。
制度を知っている方から見れば、今の制度と比べてどう違うかということは非常に大事でありますけれども、それはともかく、制度を使うという立場から見れば、特例の制度そのものがどうなのかということをきちんと説明する必要があるんだろうと思いますので、委員の御指摘も踏まえて、今申し上げた制度を使う側、しかも初めて使う側、特に、リーマンのときには製造業の方が多かったというふうに認識しておりますが、今回は飲食を含めサービス産業の方も非常に多いわけなので、いわば初めてこの制度を、しかも今回の特例を使われるということ、そのことを前提とした、そうした方にわかりやすいパンフレットをつくっていくということで、更にそうした努力をしていきたいと思います。
稲富修二 ぜひ、使う側の視点に立ってということでございますので、そうしていただきたいと思います。
次に、上限額について、当委員会でも幾度にもわたって指摘があり、引き上げるべきではないかということでございますが、私もその立場から質問させていただきます。
まず、ちょっと事務方の方に基本的なことをお伺いします。
この上限額については、先日、大臣からも、基本手当日額の最高額を上限としているので、その金額をいじるのは難しいという御答弁がありました。基本手当日額の最高額は法定をされている、しかし、他方で、その最高額を雇用調整助成金の額の上限にするということは雇用保険法の施行規則の中で書かれてあって、それは法律改正なしに変えることができるという理解でいいか。済みません、基本的なことで恐縮ですが、質問いたします。
達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
雇用調整助成金の最高日額の上限につきましては省令事項でございますので、法的には省令の改正で対応できるというふうに理解してございます。
稲富修二 ありがとうございます。省令の改正でいいということでございます。
これからコロナの質問をさせていただくに当たって、やはり地元の多くの声がありますので、その声を届けるという気持ちで申し上げたいと思いますが、今回、十分の九に上がって、ぜひこれを使いたい、十割、要するに給与、手当を払ってあげたい。しかし、他方で上限額があって、なかなかそこまでの、満額十割は払えない。それが、もし上限額がなければ、そういう会社は非常に優良な会社です。非常に雇用者のことを思う会社があります。
確かに、今の上限額がありますけれども、この八千三百三十円というのは、年収でいえば、換算すれば二百五十万から三百万という範囲でございまして、これは、例えば民間給与の実態調査からいえば約三割ぐらいの方々でございます。六割から七割方の労働者の給与水準からいえば、その対応というのが非常に、これは頭打ちになってしまうわけです。
今回の、今の事態というのは、ごく一部の企業が休業しなければいけないという事態ではなくて、ほとんど、多くの、製造業にかかわらず、あらゆる企業が休業を強いられているわけでございまして、その中で、やはり十割払ってあげたいという企業に対して、私は、ぜひ政府としても取り組んでいただきたいと思います。
ただ、基本日額、失業された方の日額を超えるのがどうかという御意見があるのかもしれません。
しかし、大臣、もともと雇用保険というのは、失業保険から雇用の保険にということで、積極的に雇用を、何といいますか、失業を予防する、あるいは雇用を守るということから失業保険から雇用保険に変わったという経緯があって、やはり、会社が倒れて失業者が出ないようにするため、積極的に失業を予防するため、会社負担を減らすという意味で十分に雇用保険の趣旨から読み込めるというふうに思いますが、非常時ですので、今の失業の方の上限と今回の雇用調整助成金の上限というものは切り分けて考えてもいいというふうに私は思いますが、大臣の御見解を伺います。
加藤厚生労働大臣 いろいろな考え方があることを私は別に否定するつもりもありません。ただ、やはり、一つの考え方としては、失業された立場、あるいは企業が努力をして雇用が継続されて休業手当をもらえている立場において、それぞれどういう助成が、助成という言い方をすれば、これは保険でありますけれども、国から行くのか、そこのバランスをどう考えるのか、この辺はなかなか容易ではないんじゃないかなというふうに思います。
もう一つは、基本的に、今、保険料で賄っております。一部、失業保険には国のお金も入っているわけでありますけれども。したがって、現在の中でそれをやろうとしてできるような財政状況なのか、その辺も含めてよく議論していかなければならないんだろうというふうに思います。
稲富修二 ここはなかなか前向きに御答弁いただけないんですけれども、上限額、どこに上げるかというのは難しい判断だと思いますが、ぜひやっていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
先日、四月十七日の西村委員の質問に対して、大臣が、雇調金に関して、一回目は御自身の資金調達で休業手当を払っていただかなければいけませんが、二回目の支給に当たっては雇調金の支給を含め対応していただける環境をつくっていきたいと御答弁をされていますが、その環境づくりをするという思いは変わらないか、確認をさせてください。
加藤厚生労働大臣 まさに、その体制をつくっていきたいというふうに思っております。支給までの期間を基本的には一カ月以内、一カ月以内というのは、二回目の休業手当の支給、いわゆる給与の支給までには必要な雇用調整金が支給される、もちろん申請書類がどこまで整っているかということはありますけれども、そういう状況をつくっていきたい、体制をつくっていきたいと思っております。
現在、第一弾として、八百名について、相談員を、追加でハローワーク、労働局に配置を進めております。さらに、今、千六百人について募集し、採用すべきことを既に指示しております。そうした体制等をしっかり整えることによって、先ほど申し上げた、申請から支給までの期間を基本的に一カ月以内とするということ、この体制を構築したいと思っています。
稲富修二 ぜひよろしくお願いします。
次に、きょう、先ほど社会保険料のことを御質問された委員がいらっしゃいましたけれども、私もこの点を質問いたします。
地元のタクシーの会社へお勤めの方から、こういう現状のことを伺いました。月に十二日間休業するようにと言われ、実際には、結果として十二日間の仕事、そして十二日間休業するようになった。そして、一日平均の運行による収入が半分以下になったということ。したがって、どうなったかというと、合計すると、平均の、基本的な休業補償と、運転をすることによって、営業をすることによって得る収入と合わせて約十五万弱の総支給額になる、ただし、その支給額から社会保険料の約五万円が差し引かれるということで手取りは十万円を割る、九万五千円余りになる、そういうことでございました。
社会保険料については、猶予、免除、さまざまな議論はありますが、このように、休業した場合にも社会保険料は確実に払わなければいけないということでございます。そして、事務方に確認したところ、やはり、社会保険料を会社が猶予したとしても、労働者からの社会保険料は確実に給与から払わなければいけないということでございます。
そういうふうになっているということなんですが、今申し上げたように、少なくとも、社会保険料を会社が猶予しているという場合に、労働者の社会保険料は一方で取りながら会社が社会保険料の猶予をするということは、私はやはりおかしいと思います。ですし、これは御存じのとおり、税金もそういうことがあるからそうだと言われればそうですけれども、税の場合は、収入に応じて税が決まってくる、でも、社会保険料は御存じのとおり決まった額を必ず年間を通じて支払わなければいけないということでございますので、少なくとも、社会保険料の猶予を会社としてするのであれば、個人の納付部分についても猶予があってしかるべきじゃないか。それが、今申し上げたような、十四、五万で、社会保険料は必ず払って、そして手取りが十万を割るというのが今の実態の生活の感覚です。
したがって、社会保険料を免除とまでは言わない、しかし、猶予するような、そういう対応ができないかというふうに思うわけですが、大臣の見解を伺います。
高橋政府参考人 技術的なところもございますので、私の方から。
社会保険の仕組みは、年に一回、算定基礎届というのがございますけれども、年度の途中でも、三カ月続いて給料が下がっているというようなことになりますと、中途で、月額変更で保険料額を下げるということができます。(稲富委員「もういいです、それは」と呼ぶ)
それからまた、無担保かつ延滞金なしで事業主に猶予する、その場合の、被保険者本人から事業主が天引きすることをとめられないかという点でございますけれども、被保険者、事業主がそれぞれ折半で負担するという仕組みの中で、事業主が保険料全体の納付義務を持っております。その際に、従業員分の保険料の源泉徴収、給与からの天引きで控除を行うかどうかは、法律上、事業主の判断というふうになってございます。このため、仮に事業主が猶予を受けて、その事業主が従業員から天引きをしないとした場合でも、後日納付する保険料につきまして、従業員からの適切な徴収の方法などを含めて、事業主において適切な判断をしていただくということが必要となります。
稲富修二 大臣にぜひ答弁いただきたいんですけれども、できるということなんですが、猶予を会社がした場合に、やはり従業員も猶予するということ、これをしないと、一方で保険料を徴収しながら会社は猶予するということでは私はおかしいと思いますし、今の生活実感からすると、非常にこの社会保険料が重くのしかかっているというふうに思いますが、ちょっと大臣の見解を伺います。
加藤厚生労働大臣 今局長から答弁したんだと思いますけれども、給与からの天引きができるのはたしか前月か当月の給与だけに限られているわけでありますから、これはできる規定ですから、それ以外はできないんですね。したがって、後日やろうとすれば、それは、それぞれの中で、どういう形で保険料をお互いに負担し合うのかということを決めなければなりません。そして、それは納付猶予したものを今度納付をしたときにどういう形で払うのかということにもつながっていくわけでありますから、それは個々まちまちであります。したがって、それを政府が一概に、こうなんだということはなかなか申し上げられない。
他方で、保険料の話、途中で委員からもういいよとおっしゃられましたけれども、これは、前の三カ月をベースにして保険料を変更する仕組みがありますから、三カ月おくれにはなりますけれども、実際の給与が下がれば、それに沿った保険料になります。しかも、これは、また今度給与が上がったときに上がるのではなくて、定時の保険料の算定まではそれが続く、こういう仕組みになっているということであります。
稲富修二 今月、そして来月、そういう目の前の生活の話なので、三カ月ルールだとなかなか間に合わないというのが現状なので、今申し上げたわけでございます。労使で話し合っていくしか方法がないのかなと、現状では。しかし、ぜひこれは検討していただきたいと思います。
次に、小学校休業等対応助成金についてお伺いします。
これも何度も当委員会でも御指摘がありましたけれども、支給決定件数が非常に少ない、企業向けが三十八件、個人が六十七件ということでございますが、その理由、対策についてまずは伺います。
自見大臣政務官 お答えいたします。
小学校休業等対応助成金・支援金の支給決定件数でございますけれども、四月の二十三日、昨日付の速報値としてお伝えをいたします。企業向けの助成金で百十件、個人向けの支援金で二百四十一件の計三百五十一件となってございます。
三月の十八日に助成金・支援金の申請受け付けを開始して以降、個別の支給決定も進めながら、大量の申請を迅速に斉一的に処理できる体制を現在も構築してきているところではございますけれども、処理に当たっては、提出された申請書類には不備があるものが多いという状況もございますが、スムーズに処理ができるように、我々の方のマニュアルの改善等を行い、現在は本格的に支給決定に向けた処理を行っているところであります。
さらに、スムーズな支給決定に向けては、申請書類の不備をあらかじめ減らしていく努力も必要であるため、厚生労働省のホームページに、申請書の書き方をわかりやすく、これは社労士の皆様に全面的に御協力をいただきましたけれども、解説をした動画を掲載しております。また、申請者が記入しやすいように、助成金の申請様式を見直したところでもございます。
こうした取組を積極的に周知広報しながら、企業の方や個人の皆様に一日も早く支援が届くよう、迅速な支給に努めてまいりたいと存じます。
稲富修二 ありがとうございます。
例えばこういうことはいいのかということでお尋ねします。企業にとってみれば、例えば、今の状況であれば、この休業の仕組みをとって助成金を得るよりも、とにかく有休をとれと。有休をとって、そうしてから、その後また考えようということ。これはこの趣旨に合うのか、それは許されるのか、まず伺います。
自見大臣政務官 お答えいたします。
小学校休業等対応助成金の趣旨でございますが、小学校等の臨時休校等に伴い、子供の世話を行うために仕事を休まざるを得ない保護者を支援し、子供たちの安全そして健康を確保するためのものでございます。
こうした趣旨を企業に御理解いただいた上で、企業には年次有給休暇とは別途有給の休暇制度を設けていただくよう周知に努めてございまして、年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないということでございますので、使用者が一方的に取得させることはできないというふうに考えてございます。
さらに、労働者から企業が助成金を利用してくれないといった相談があった場合には、我々の方で、全国の都道府県の労働局において速やかに現状を把握する、その上で、企業に対して助成金の支給要件となっている有給の休暇制度の導入等についても働きかけを行うこととしております。
厚生労働省としては、子供の世話をする労働者が希望に応じて有給の特別休暇が取得できるよう、引き続き、あらゆる機会を捉えて、この助成金制度の周知や企業への働きかけに取り組んでまいりたいと存じます。
稲富修二 これはいい仕組みなんですが、なかなか件数がふえていかないというか、利用企業が少ないということで、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
次に、住宅確保給付金について伺います。
お手元にちょっと資料を配らせていただきました。二枚目のところの支給対象については、せっかくこれは二十日から要件が緩和されて、拡大して使えるようになってきたということでございますが、対象者についてちょっとわかりにくい部分がありますので、その点を伺います。
一のところ、住宅を失うおそれがあるということ、これはどういうことなのか。そして、二の離職、廃業と同程度の状況、すなわち離職、廃業しなくてもいいということでございますが、同程度の状況というのはどういうことを言っているのか。それは、恐らく五の収入基準額以下であるということとほぼ同義に近いのかなというふうに思いますが。あと、先日、当委員会でも大臣から、必ずしも廃業しなくてもいいという御答弁もあったかと思います。あわせて、今の対象者についての見解を伺います。
小島大臣政務官 御答弁いたします。
住居確保給付金につきましては、四月二十日に公布施行したところでありまして、支給対象の見直しを行ったところであります。
具体的には、離職や廃業をした方で住居を失うおそれがある方を支給対象としておりましたが、現下の状況を踏まえ、離職や廃業に至っていないが同程度の状況に至り、住居を失うおそれが生じている方につきましても対象といたしたところでございます。これに加えまして、今まではハローワークへ求職の申込みをしていただくようになっておりましたが、四月三十日からは当面は不要ということでございます。
御指摘の、離職や廃業と同程度の状況や、住居を失うおそれのある方については、就労の機会が大幅になくなり、収入が減少し、家賃を滞納するおそれが生じているケースを想定しておりますけれども、一律の基準を設定するものではなく、個々人の状況に応じて判断することといたしております。
初めに申し上げましたけれども、こうした制度の見直しを重ね、住まいに困窮されている方々に対しまして幅広く必要な支援が届くように取り組んでまいります。
稲富修二 ありがとうございます。
これは補正予算で二十七億なんですけれども、今、家賃のことを与野党で議論していますが、この住居確保について、二十七億は非常に少ないなというのが私の実感です。今の世の中の感覚と、恐らくこれだと使えると思って利用する方のボリューム感からいうと、非常に、これで予算は大丈夫なのかと思います。
それで、四分の一は地方自治体、そして四分の三が国ということになりますと、これが少な過ぎると支給抑制というものが働かないかということを危惧します。その点、少な過ぎることはない、仮にこの予算を上回ったとしてもこの制度は維持し、そして要件としてもしっかりと適用するということをぜひ御答弁をいただきたいんです。
谷内政府参考人 お答えいたします。
議員から、住居確保給付金につきましての予算についてのお尋ねがございました。
まず、令和二年の当初予算でございますけれども、生活困窮者自立相談支援事業費等負担金、総額で約二百二十七億円を計上しておりまして、その中から住宅確保給付金につきまして充当することができることとなっております。また、それに加えまして、今回の補正予算におきましては、住居確保給付金そのもの単独といたしまして、約二十七億円を盛り込んでいるところでございます。
合わせまして、この約二百五十五億円の中から住居確保給付金につきまして充当することが可能でございまして、現時点では十分な予算が確保されているというふうに認識しておりますけれども、我々としましては、今後の執行状況を見ながら、必要な予算につきましては確保していきたいというふうに考えているところでございます。
稲富修二 ぜひよろしくお願いします。
この住居確保給付金と緊急小口について、あわせて質問します。
これから大型連休に入ってまいります。土日祝日の受け付けを休みというところがやはりあって、しかし、この大型連休中、全ての日で受け付けしてくださいとは申しませんが、一部でもやらないと、連休明けに殺到するということも想像されます。この連休中、土日祝日を休みと画一的に考えるのではなくて、政府からも、国からもぜひ働きかけていただいて、どこかで受け付けするという方針にしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
谷内政府参考人 お答えいたします。
まず、住居確保給付金の方でございますけれども、これは自立相談支援機関がやっておりますので自治体の方で対応しておりますけれども、議員御指摘のありました大型連休中におきましても住居確保給付金の相談を含む生活の困り事に関する相談を受けとめることが必要というふうに考えておりますので、厚生労働省といたしましては、自立相談支援機関を設置いたします自治体に対しまして、地域の実情に応じた対応が進められるようお願いしていきたいというふうに考えております。
また、緊急小口資金の連休中の対応でございます。これは社会福祉協議会が今対応しておりますけれども、これまでも、土日祝日の対応につきまして、平日の相談件数の動向を踏まえまして必要な対応をお願いしてきておりますけれども、大型連休中の対応につきましては、郵送申請や窓口の対応状況を踏まえながら、迅速な貸付けが進みますよう、実施主体である社会福祉協議会と調整してまいりたいというふうに考えております。
稲富修二 連休明けは殺到して、あるいは、その間、本当に小口資金はあすの資金ということで急いでいるわけで、住宅についても状況は同じだと思いますので、ぜひ、連休中の対応をよろしくお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。